橋下サンの本を読んで2

橋下サンの本、『最後に思わずYESと言わせる最強の交渉術』を読んで、呆れましたね。彼が現在あるのは、このようなあくどい交渉術を駆使して、おおかたの有権者の皆さんに何かしらの期待感を持たせているデマゴーグ(煽動的指導者)であることが、よくわかります。

彼は自分の施策、方針、計画、検討課題は、ミン、ミン、ミン、ミンイの表れと夏のセミのように唱えています。「選挙で勝てば、民意から白紙委任を受けたようなもの」と言い切っています。

選挙制度は、有権者の一票の集積の結果、政治の方向を政党なり、政治家なりに任期限定で委嘱するシステムですが、全権を委任するものではありません。政党や候補者が掲げた公約の枠内を支持したものとされています。なんでもかんでもお任せしたものではないのは、当たり前のことですが、彼はその道理には知らぬ顔をしています。

また、どのような選挙でも、いわゆる少数派が出ます。政治的判断における多数派と少数派というのは、ゲームの勝敗者ではなくて、ある時点での政治的見解の相違であって、変更や交代可能な手続きが残されている判断の違いです。したがって、多数派は常に少数派の存在と見解を留意しなければ政治は回りません。

というようなことを踏まえて、橋下サンの本『まっとう勝負!』(06年 小学館刊)を読みました。この本は週刊誌に連載された読み切りの一文を本にする際、構成を編集し直したものです。中身は、その時々の政治や社会など多岐にわたるトピックや問題について、ほとんど一刀両断に橋下流の判断で解釈してみせたものです。

彼は知事から市長に転身して大阪都構想の実現を目指す政治家ですが、その政治家というものについて、彼は驚くべき異様な考えを持っています。

「政治家のウソは政策に関連してのみ罪としろよ!」と題した章の以下の一文です。(121ー122ページ)

「なんで「国民のために、お国のために」なんてケツの穴が痒(かゆ)くなるようなことばかりいうんだ!政治家を志すっちゅうのは。権力欲、名誉欲の最高峰だよ。その後に、国民のため、お国のためがついてくる。自分の権力欲、名誉欲を達成する手段として、嫌々国民のため、お国のために奉しなければならないわけよ。、、、別に政治家を志す動機づけが権力欲や名誉欲でもいいじゃないか!だって人間、人のために自分を犠牲にできる奴などなかなかいないよ」

彼はこのように本音では国民を愚弄する考えの持ち主です。彼が政治家になりたい動機づけが、ここに集約されています。要するに権力と名誉を得るために政治家になっているわけで、国民のためなどはケツの穴が痒くなるものは付け足しだと断言しています。国民のため、お国のためなどは、「嫌嫌」するもんだと書いています。

橋下サンに何事かを期待し一票を投じた多くの有権者は、結局、橋下サンにバカにされていることを表しています。「嫌嫌のケツの穴」扱いされています。彼は過激な競争原理主義者で、人生の覇者は競争に勝ったものにあると信じています。彼からケツの穴と見下されていることも知らず、彼を支持しているのは、なんという悲喜劇なことか。ニートやフリターや安月給のサラリーマンや零細企業で奮闘しているよう者は、彼からみれば、人生の落ちこぼれとされているのに、そんな人々が皮肉にも彼を支持しています。


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 彼は大阪府の知事選(2008年)に立候補を「2万パーセントありえない」と大ウソをついた一週間後に出馬した。ちょっと横道にそれますが、橋下サンのやり方をよく暴露したエピソードが、最近の『サンデー毎日』(4・8増大号)にスクープされました。記事によれば、知事選の告示後に彼は二回に分けて自民党府連に合計1030万円の寄付をしているとのこと。同府連はこれを所属議員に分配したという。彼は無所属で立候補していますが、自民党から推薦を受けています。巨額の寄付をしているのは、なんのためか、子供でもわかる裏工作です。

この寄付は橋下サンが個人的に政党に寄付したものなので、公選法違反(買収容疑)に問われないそうですが、誰が考えても、この時期のこの巨額寄付は、選挙戦を有利に進めるために行われたものであることは間違いありません。なんでも得意げに喋りまくっているはずの彼は、この裏工作について、この記事で露見するまで、一言も話していません。そのあげく橋下サンは自身のツイッターでは「バカ・サンデー毎日、文句あっか」と居直っています。まことに品位にかける汚い男です。市長選への転身でも、なにかずるく立ち回っていることが、いずれ明るみにでるのではないか、と思わせるやり方ですね。

こういうこす辛い世渡りを彼は好きらしく、この本にも、それを賞賛している記事が出てきます。
「ルールをかいくぐるアイデアを自己規制したら取り残されるぜ」(206ー211ページ)。

彼は高校時代にラグビーで全国大会に出場、ベスト16校に残ったことを自慢しています。その時の戦い方ですが、ラグビーは両チーム8人同士がスクラムで押し合うことが重要なポイントですが、彼のチームはスクラムでの押し合い避ける「コペルニクス的大転換!」(彼の表現)戦術を採ります。つまり、本来8人ずつで組むスクラムを7人で組み、余った1人は、スクラムハーフがボールを入れると、すぐにスクラムからボールをかっさらってバックスにパスさせる。そんな攻め方はそれまでのラグビーにはないので、相手フォーワードはあっけにとられて、遅れをとってしまいます。

こんなやり方は適切でない、ラグビーのスクラム本来の意味がなくなるという声が強まり、翌年からルール改正、スクラムは必ず8人で組まなければならなくなった。当たり前だと思います。

つまり、橋下サンたちのチームは、ルールが規定していなかったスキをついたものです。このルールのスキを突くという悪賢いやり方に味をしめたらしく、彼はこう書いています。

現在の世界は激烈な競争社会。なんとなくの暗黙のルールに縛られて自己規制していたら、アッという間に取り残される。明確なルールのみが行動の基準であって、明確なルールによる規制がない限りは何をやっても構わないんだ」

「ルールに違反していたのであれば、それなりに罰せられなければいけないけれど、道徳や倫理を持ち出して非難することはナンセンスだよ」

「ルールの隙を突いた者が賞賛されるような日本にならないと、これからの国際社会は乗り切れない」


前述の知事選さなかの自民党への巨額寄付も、ルールのスキを突いたものです。彼は弁護士稼業ですから、法令やルールについて知見を持っているはずですが、その知識経験でもってルールや法令の裏をかくことこそ、競争社会の勝者への道だ言っているわけです。もうこれだけで、とうてい友人にしたくないワースト1のような人物ですね。つまらない本を読んでしまいました。


                        (文中、太字にしている部分は本の表示通りです)


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納得しました。

彼の本性は国民は気付き始めて来ました。

遅いコメですが、書かずにおれません。こんな本をだしていたとは!!
テレビでも彼の顔と声が出てくると消してしまいます、ホントはよく見て分析すべきなんでしょうが・・・

全ハ連

フツーの大阪人なら、彼のような言動、振る舞いに生理的に嫌悪感を感じるものですが、大阪人はどうなってしまったのかな。そういう趣旨のツイッターがありました。橋下ってヒト、ケッタイな、気色ワルイヒトやおまへんか。「全国ハシのシタ環境美化連絡協議会」(略・全ハ連)が起きないかな。(笑い)
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