中国がらみ二件考

尖閣列島周辺での中国漁船衝突ビデオが、ネットに流出した。国会で限定された議員のみ編集ビデオを秘密公開した翌日である。犯罪を裏付ける証拠物件だし、公開すれば中国側を刺激するとして、深窓のお嬢さん(古いな)のように日の目を見ないように幽閉していたはずが、見事に明るみに出た。

日本政府とその下部組織の保秘管理は、あっさり破られた。おそらく海保関係者によって極秘の壁が開けられたにちがいない。鉄壁のコントロールがなされていなかったことは、民主主義の進展のために喜ばしい。国民に真相を知らせる判断材料を政府が、政府だけの理由で手を回して、フタをするのは健全ではないからだ。

結果として、日本には表現の自由を担保する有為の人がまだいて、通信の自由を担保とする技術が保証されていることがはっきりして、けっこうなことであった。中国にはこうした自由が欠けている。

なお、前にも書いたが、尖閣列島は歴史的にみて日本固有のものとは言い切れない経緯がある。これを言い張ることは、北方領土はロシアのものというロシア論法を受け入れなければならず、自己矛盾に陥るのではないか。

さて、この漁船衝突事件を機に、一見して日中関係がひどく悪化しているような報道が目立つがほんとうに、そうだろうか。年内に国内総生産額で日本を抜き、世界第2の経済大国になる、中国資本の日本国内投資や企業誘致が盛んで、日本は侵奪される、軍事力は膨張の一途にあるなどが、その理由だ。

よその国の経済発展を警戒するには、いかがなものか。日本は30年以上前に世界第2位の経済大国になったが、世界中が歓迎してくれていたと思っていたのか。かつての日本の経済急成長はよくて他国の成長は要警戒とは、理屈が通らぬこと。

円バブル経済の金あまりでハワイのホテル群はじめアメリカの由緒ある高層ビルや企業を傘下におさめていたのは、ついこの間のことではないか。金持ちイエローモンキーと白い目で見られたことは、問わないのか。

専守防衛、不戦憲法を持つ日本が世界第4位の軍事予算を持ち、なお最強の戦闘能力を持つ同盟国、米軍が常駐している現実からすれば、周辺各国がバランスを取ろうと戦力増強を図るのは、当然の流れでないか。日米の力の誇示はいいけど、あちらの誇示は脅威だというのは筋が通らぬ話。

公正な目で事態を眺めることが大切で、いたずらに偏向を煽るのはよくない。ましてや中国はじめ他国を敵視するような論評は好ましくない。

近年は中国や北朝鮮脅威をあおることで、メシのタネにしている政治や評論家など、その他大勢がいるのは、感心しない。
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