九電工作メール

九電の社長がしぶしぶ辞めることに傾いたようだ。

国主催の原発番組に[賛成・容認メール]を一斉に出して、世論操作を図った玄海灘の秘密大作戦は、こうして終結しそう。だが、本当は、これからだ。こんなことくらいで、電力会社が抱える「お山の大将」(海江田経産相)体質が治ることはない。独断専行、隠蔽体質が地に潜るだけだ。おそらく、カネのばらまき方が足りなかったのかとハンセイして、こんどはもっとバレないようにうまくやろう、、、、、深く潜行することになるのだろう。

全国の電力会社は地域割で九地域独占の公益企業体とされ、手厚く国の庇護下にある。この厳しい資本主義社会にあって、収益事業にまったく競争がないという仕組みだから、これほど安泰な殿様企業はない。毎日毎週、お買い得セールで涙ぐましいチラシ合戦をやっているスーパー業界なんかはお呼びでないのだ。幹部候補性で電力会社に就職した連中がやることは、実はなにもなくて、あるのは出世のための社内政治、派閥争いだけと言われる体質である。

電力会社は、どの地域でもトップ企業であり、地域の経済社会団体のリーダーであり、その社員はひところまでは、いや、いまもそうだが、地元では人もうらやむ優良会社員なんだから。失礼ながら地方へゆくと、優良勤め人は、県庁さんか、電力さんというのが実情である。料亭、居酒屋の上得意でもある。

今回の工作メール問題でわかってきたのは、どうやら副社長あたりから立案され(副社長は最初、知らぬ存ぜずとシラをきった)、その意を体した幹部社員が本体会社と子会社に対して、「原発容認メールをどんどん送りましょう」とハッパをかけた。親方日の丸の子会社は、唯々諾々と従い、あわせて数千人もの社員、作業員が、その特命を目にすることができたそうだ。

筆者もサラリーマン経験があるので、ここからの社員心理はよくわかる。そんな裏面工作なんかやったらいかんぜよ、と思う懐疑、良心派も少数はいるにいるが、主流になるのは、会社一大事の忠臣派、なかには滅私奉公的なおべんちゃら派も現れて、容認メールを打たなければ、ウチの社員じゃない!!といった空気を作ってしまう。会社幹部に、愛い奴と見られるようにきそって阿諛追従する輩が必ず出てくる。メール打電は、踏み絵になったにちがいない。会社側には強硬忠臣派がいた証拠に、なんと幾種類かの賛意の文例まで作って流したそうだから、やるもんだ。メールくらい簡単なものだ。

ついでに打った手が、番組の登場者や観客の動員。つまり、原発容認サクラの開花である。サクラになるには申し込みをしなければならないが、多分、そういうことをやる係りがひそかに組織されてやったことだろう。会社政策の推進のためなら湯水のごとく出費を惜しまないようだから、あるいは、もっとあくどい手法もこんご露見するかもしれない。九電は、これ以前の原発公聴会でも動員を図ったことを認めているようだから、こうした不適切な原発ゴーゴー大作戦は、ずっと昔から進めてきたのに違いない。

賛否両論、硬軟半々、是々非々の事柄について、主流の流れを工作してつくるやり方は、じつは九電だけでない。おそらく全ての企業、組織、あるいは行政も目論んでいる。手をつけている。いわゆる「根回し」の一つくらいに思っていたのだろう。企業の会議というのは、国会想定問答よりももっと形式化しており、会議はその確認の場にすぎない。こうしたやり方は、いちいち面倒なので列挙しないが、一つだけ挙げると、小泉政権のとき全国各地で教育や司法改革などで、タウンミーティング(国民の意見を聞くかたちの公聴会)が開催された。

それらはみんな関連の行政府から工作された公聴会であったことが後にバレている。出席者も会場からの挙手発言者も演出の一部であったことが露見している。企業も行政も「初めに描いたシナリオありき」の結論に誘導することに血道を上げている。

今のような時代にうまく生きていくためには、世の中のほとんどの事柄は、
ホンマかいな、ウソかいな、
誰と誰がトクしまねん、
誰がソンしまねん?

そういう素朴だが、シビアな、疑わしい目で見極めなければ本当のことがわからない。

カン降ろし、なんか、そういう目で見ると、これは与野党合作のクーデター工作だな。国民のための政争ではないね。
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
プロフィール

tajifu

Author:tajifu

ブログ内検索
RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる