初笑い、憫笑, でんでん

おもしろき
こともなき世を
おもしろく  
     高杉晋作

年初から、面白いことは、あまりない。はやくも一月が過ぎようとして、突如、大笑いするシーンにお目にかかった。大笑いのあとで、情けないなあ、慨嘆させられるところが、また面白い。お粗末な新喜劇、アベは役者ですねー。

24日の国会答弁。「ただ批判に明け暮れたり、言論の府である国会の中でプラカードを掲げても何も生まれません」。アベが民進党を暗に皮肉った発言に対して、蓮舫代表が、そのような戦術は過去には自民党もやっていた。「どう整合性をつけるのか」と追及した場面でお笑いが飛び出した。

アベは、壇上の原稿を見ながら、民進党と言った覚えなんかなく、「訂正でんでん」といったものではないと、どや顔で一蹴してみせた。「でんでん」なる言葉は、どういうことか。

実は原稿には「訂正云々」とあったのだ。アベは、これを正しく読めなかったばかりか、なんのためらいもなく、「でんでん」と発音して、そのような日本語があると信じている様子だった。

官邸は、首相の読み間違えだとみとめているようだが、言葉の語尾に「でんでん」をつけるような日本語はない。仮に誤読だとしても、いったい全体、どういう意味になるのか。アベは、まるっきり意味をなさない言葉で国会答弁をしているわけで、このアホらしい話のいちばんのキモは、そこにあるのです。意味をなさない言葉で野党の質問に答えている、そのアホらしさです。

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ネット上で持ち切りの話題だったので、YOUTUBE(*1)で確認して、久しぶりに大笑いしました。アベは以前から、オツムが弱いことをさらけだしていましたが、それにしても、いいトシこいた自称政治家が、しかるべき場所でなんども使ったかと思える「、、、、云々」が読めないとは、あ然、呆然。

アベの非常識は数々あります。
16年間も在籍した出身校の成蹊と同じ「成」の字が正しく書けない。テンなし、ハライなし。(写真参照)。

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政界に20数年いるのに、先の大戦の連合軍による日本への降伏最終宣言{ポツダム宣言)を読んだことがない、と答弁
法学部出身なのに、憲法学の第一人者、文化功労者の芦部信喜の名前を知らず、と答弁
総理大臣は「立法府の長」と二度、三度と繰り返し発言している。(写真参照)


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ネット上では、
「でんでん虫、ムシ 安倍総理」の替え歌が披露されたり、歳末恒例の清水寺での「今年の漢字」は「云々」に決まり、国語辞典に新しい読み方として載せられる、教科書も改訂されて、入学試験にも出題されることになったとか。みなさんこの国の首相の無知蒙昧を歎きならも、茶化しています。

今回のアベ誤読で明らかになったことは、首相の能力、国会演説や討論の形骸化、官僚の役割など、いろいろな面で面白がってばかりしておれないことが、あらためて日の目をみました。列挙すれば、、、、

一、アベはフリガナ付き、間合い付きの演説原稿をいつも読んでいるが(写真参照)、今回はフリガナついていなかった。


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二、原稿を書いた御用役人は、アベの能力を把握していなかった。買いかぶっていたか、手を抜いたか。

三、アベは国会答弁の原稿さえ事前にを読んでいないか、読んでも、読み方に疑念を覚えなかった。

四、野党を揶揄するような内容でさえ、役人が原稿を書き、首相は棒読みするだけ。

五、「立法府の長」を長い時間をおいても懲りずに発言することは、三権分立を知らず、側近も役人も諌言しないことを意味している。つまり「裸の王様」になりきってしまっている。

六、ということは、秘密保護法にしろ、安保法制にしろ、共謀罪にしろ、アベは、すべてコトの本質を理解せず棒読みしている。

血筋だけで成り上がったということのほかになんの取り柄も感じさせない、このような人物が、「努力すれば報われる社会をつくる」とか、「明日の日本を築き上げる」とか、「世界の安全安心に貢献する」とかと、したり顔で大言壮語する風景が、いつまで続くのか。笑っていられないニッポンの悲喜劇ですね。

でん、ででーん、でんでんの一席でした。

(写真はGoogle画像検索から引用)

 
*1 YOUTUBEで「安倍首相、でんでん」と検索すれば、動画がみられる。たとえば、
   https://www.youtube.com/watch?v=a3qq7_MTK_g youtube
   https://www.youtube.com/watch?v=-XY-IoMy-Mo youtube

トランプ♠♡♣♢

トランプが大統領に就任しました。
それについて、何か感想を書こうかと思ったけれど、気がのらないですね。

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21世紀だというのに「(自国の)保護こそが偉大な繁栄と強さにつながる」(就任演説のキモ部分)。トランプは堂々と世界の潮流に逆行宣言しました。

超大国といえども、あらゆる分野で世界は、抜き差しならぬ相互依存関係にあることを無視するなら、結局は天にツバすることになりやしないか。

内外の多くの人が、いろいろな角度からトランプの考えや人柄をあげて、期待感や失望感を述べています。しかながら、あんまり妙な印象を与える人物が陽の目をみたせいか、大方の人はためらいがちな論評です。ちょっとひいき目に発言する専門家にしろ、お手並み拝見といった感じ、腰が引けています。

目についたところでは、あのハシモトや美容整形のタカス某という目立ちたがりくらいですね。歓迎しているのはーー。ハシモトは、性格的にスネ夫(*1)なので、強い方なら、誰にでもなびく。いまアベと近いのも、そのならい。損か得か。それが言動の規範だから、仕方がないが、あのハシモトならそんなものだと読まれるようになってしまったから、説得力がない。ああ、あいつらしい、ってとこ。

22日のニュースによると、トランプは大統領執務室の大きな壁面を覆うカーテンを、就任直後にゴールドの布に取り換えたと伝えています。(*2)オバマのときは、深紫色だったそうです。成金の大金持ならではの、趣味の悪いエピソードです。これだけでも、付き合いきれない神経の持ち主だと察せられます。


ゴールドといえば、なんともおかしいのは、トランプの”不都合な真実”。セックス・スキャンダルに出てくるキーワードが”ゴールデン・シャワー”(*3)なんです。

このロシアに握られているという情報は、いつ「ファクト・チェック」(事実かどうかの確認)されるのだろうか。ポーカーの勝負場面のような局面で、ロシアはこの切り札を暴露すれば、トランプの命取りになるのは必至でしょうね。トランプがロシア融和的なのは、ここでゆすられている、、、とまで勘繰るにはよしましょう。

世界中から反対デモに包まれています。就任早々から、いつまで持つか、懸念される大統領というのは、珍しい。トランプもトランプだが、損得勘定一点張り、見え見えの扇動に乗っかって熱狂したアメリカ国民も、なんだかな。民主主義を標榜するはずの国にしては、不穏な判断を選んだものです。

もっとも、スケールはちがっても、あのコイズミやハシモトに熱狂した人々が山ほどいました。あの郵政民営化なんて、いったい国民にとってどんな成果が上がったのか。あれから郵便配達の時間がデタラメになって困っています。ハシモトにいたっては、口舌の徒に大阪の発展が「失われた7年半」になった印象しかない。

あまりモノを考えない人、あるいは暮らしや生業に追われている人たち大勢を熱狂に引きずりこんだ方が勝ちという民主主義は、成熟した政治システムとはいえない。
この負の側面をカバーする妙策がない。
あるとすれば、万事に熱狂しないこと、くらいかな。

(イラストはGoogle画像検索から引用)

*1 藤子・F・不二雄の漫画作品『ドラえもん』に登場する人物、骨川 スネ夫(ほねかわ スネお) ナルシストかつイヤミ、口が上手   く虚言癖の持ち主。強者には徹底してへりくだる。

*2 2017年1月22日 朝日電子版
   http://www.asahi.com/articles/ASK1Q4QN8K1QUHBI00W.html
   大統領執務室、金色カーテンに オバマ氏離れた数時間後

*3 2017年1月12日 TVgoove
http://www.tvgroove.com/news/article/ctg/1/nid/32536.html
   ドナルド・トランプ米次期大統領にとんでもない性癖が発覚!?
   ツイッターでトレンド入りした“ゴールデンシャワー”とは?

 

メリル・ストリープ讃

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お気に入りの女優の一人にメリル・ストリープがいます。今回は、素晴らしいスピーチで、存在感を発揮するとともに、あのトランプに一矢報いました。

今年も四回目にあたるゴールデングローブ賞のうちの特別功労賞を獲得しました。アカデミー賞でも主演・助演を含めて3回受賞しています。名実ともにアメリカ映画界が誇る大物女優です。(*1)

その彼女がGクラブ授賞式でのあいさつで、トランプ次期大統領の名指しを避けながらも、トランプの「弱者いじめ」を痛烈に批判しました。(*2)障害のあるNYタイムズ記者の障害をジェスチャーで真似をして記者を蔑んだトランプの行為を取り上げて、スピーチしました。

権力者が公の場で他者をばかにしようとする衝動に身をゆだねてしまえば、あらゆる人たちの生活に波及します。人々に同じことをしてもいいと、許可を与えることになるからです。

侮蔑は侮蔑を招きます。暴力は暴力をあおります。権力者が立場を利用して他人をいじめれば、私たちはみな負けるのです。いいわ、やりたければどうぞ続けてみなさい。



ハリウッドは伝統的にリベラルで、民主党びいきが多いですから、多くの著名スターが大統領選のさなかにもかかわらずトランプ批判の声を上げています。彼女の発言も根はトランプ嫌いにあるのでしょうが、指摘していることは、まったく良識ある内容です。政治的立場を超えて、普遍的な人権尊重です。

これに対してトランプはすぐにツイッターの波状攻撃で、次のように反応しました。(*3)

大敗したヒラリーの追従者だ。もう100回くらいは言っているが、私は決して障害のある記者を「ばかにした」ことはない(決してそうするつもりはなかった)。

メリル・ストリープは、ハリウッドで最も過大評価された女優の一人で、私のことをよく知らない。それなのに、昨夜のゴールデン・グローブ授賞式で、私を非難した。



誰が読んでも勝負あったと思います。追従者を「腰ぎんちゃく」、過大評価を「買いかぶり」と訳すニュースもありました。それが真意でしょう。トランプの口汚い悪態にうんざりさせられます。

しかも、アメリカ人なら誰もが知っていることは、トランプはなんと一昨年8月には雑誌のインタビューに、メリル・ストリープのフアンだと言っていたのですから、その卑怯な変わり身の呆れます。(*4)

トランプ氏、メリル・ストリープのファンだった 「素晴らしい女優。人としても立派だ」。2015年8月、ハリウッド・リポーター誌のインタビューで「お気に入りの女優はいますか」と質問された時、トランプ氏はジュリア・ロバーツと共にストリープの名を挙げた。



ハリウッドの大物俳優、ジョージ・クルーニーはメリル・ストリープの発言を賛同、擁護して、こう述べています。(*5)

彼がすべてを破壊しないことを願うばかりです。現実は、彼がまともな仕事をしてくれることを願わなければならない。もしアメリカが失敗したら、とてもおそろしいことが起こります。だからそうならないように信じなければならない。



自由な女優の的確な発言にしろ、トヨタのメキシコ進出工場の件にしろ、気に入らない相手に対して猛烈な攻撃を加え、逆らう相手には代償を吹っ掛け、強権で威圧するトランプのようなやり方でアメリカがほんとに活力を取り戻すのか。

アメリカに独裁者はなじまない。こんな人物を大統領の選んだアメリカの近未来は、政治、経済、社会のすみずみまで大変なことになりそうな予感がします。向こう4年の任期を全うできるのかさえ案じられます。黒人大統領が登場したときと比べても、物理的な危険にさらされるのではないかと危惧します。

また、トランプを支持した白人中・小産階級の人々は、まもなくトランプが「お金持ちのお金持ちによるお金持ちのための政治」しか行わないことに気づくと、裏切られた失望感から反乱を起こすかもしれない。

トランプによって分断され、対立するようになったアメリカ国民は、ニクソン大統領のときのような弾劾を求める事態を招くかもしれない。

ニクソンは再選に当たり不正を指揮した容疑だったが、トランプの場合、ロシアはじめ複数の国でビジネスにからみアメリカの国益に反する商行為をやった疑いやロシアでの異常なセックス・スキャンダルが噂されています。

国民感情の分断化については、すでにカリフォルニア州独立運動なるキャンペーンが起きていると伝えられます。シリコンバレーの起業家が提唱して「合法的な運動をしよう」と。財政規模ではイタリアより大きく、人口ではカナダよりも多い州ですから、冗談にしろ面白い。(*6)

それにしても、今回の大統領選の結果は、全米投票総数ではヒラリー・クリントンが2百万票超も上回っているのに、選挙人獲得数ではトランプが勝っています。

日本はじめ他国の選挙制度にならえば、ヒラリーが勝っています。投票数という民意が、選挙人制度という壁で屈折してしまうという、けったいな選挙制度について,当のアメリカ人たちは、どう考えているのか。

なんでも選挙人制度というのは、広大な国土で情報伝達の手段に乏しく、候補者の選挙公約や施策が行き渡らなかった西部開拓時代の名残りだそうだが、いまや民意が直接反映されない、世にも不思議な選挙制度を後生大事にしているのは、どういうわけなんだろうか。

(写真はGoogle画像検索から引用)

*1 「クレイマー・クレイマー」(助演賞)、「ソフィーの選択」、「マーガレット・サッチャー鉄の女の涙」(主演賞)。ノミネートは十数回もある。
*2 2017年01月10日 毎日新聞電子版 M・ストリープ、Gグローブ賞でのスピーチ全文
               http://mainichi.jp/articles/20170110/k00/00e/040/236000c
*3 2017年01月10日 ハフィントン・ポスト http://www.huffingtonpost.jp/2017/01/09/trump_n_14068202.html
*4 2017年01月10日 ハフィントン・ポスト http://www.huffingtonpost.jp/2017/01/10/trump_n_14097588.html
*5 2017年1月11日 BAZAAR ジョージ・クルーニー、トランプ氏批判をしたメリル・ストリープに賛同
               http://harpersbazaar.jp/celebrity/george-clooney-backs-meryl-streeps-golden-globes-speech-170111
*6 2017年01月12日 ブログ「単調な毎日に刺激を」 カリフォルニア州がアメリカ合衆国から独立?実現の可能性は?
               http://www.sabarism.net/entry/california-secede-from-us

初日の出

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元旦、自宅近くの古墳跡の公園から初日の出を観ました。久方ぶりの火の球でした。曇り空や雨天という元旦もあって、ほんとうに黄金色に輝く日の出を観られるのは四年に一回、五輪並みという感じです。

こんな風習は、調べてみると、古くからは太陽を含む自然崇拝信仰があって、平安期ごろからは四方拝という宮中行事でひそかに継承されてきたが、一般に広がったのは明治政府が宮中行事を含む神道を国家宗教に格上げしていらいらしい。

もっとも、閑人は初日の出に宗教的な思い入れを込めているわけでない。いわゆる初詣にもほとんど行ったことがない無信心者。ただ、新しい年の幕開けの空気を好きな山上から体感したいと思って例年やってきた。いまは残念ながら山を登る脚力がない、

こんな初日の出を称揚する風習は、日本独特らしく、海外ではあまり例がないらしい。そうだろう、神道の名残りが海外にあるはずもないか。大晦日にカウントダウンしてはしゃぐ外国人も初日の出には、ぜんぜん無関心なのが面白い。

森羅万象の価値観についてお国柄があり、、民族性の違いがあるのは、当然ながら、正月に見たDVD映画『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』(*1)には目からウロコでした。

タイトルは刺激的ですが、意味するところは、アメリカにない文化や制度をヨーロッパから学び取り、それらを“戦利品”にしてアメリカに持ち帰ろうという寓意をこめている。ムーアが持ち帰りたい、歴訪国からのこんな戦利品の数々、、、、。

イタリアでは労働者には年8週間の有給休暇があり、産休や病気休暇も有給。昼休みは2時間あり、自宅に戻って家族とランチをするのが普通。12月には2か月分の給与がもらえる。

ドイツでは週30時間労働。早い職場では午後2時には勤務時間が終わり、長い午後はスポーツや趣味に。それでも職場でストレスを感じると、1か月間、温泉のある療養施設で癒す制度がある。

フランスの田舎の小学校で。給食はナイフ・フォークをつかって給仕されながら、コース料理を食べる。チーズなどはカマンベールほか多数用意されていて、児童は好みのチーズを食べられる。食器もプラ容器ではない。ちなみに児童らにアメリカの高校生の給食写真を見せたら、「まずそう」と一蹴していた。この国では教育、医療は無料。

世界一学力が高いフィンランドの小学校。国の教育方針で宿題は一切なし。授業時間は週20時間で、試験には拓一問題はない。問題は記述式に限る。教委関係者は拓一式は覚える力に役立つが、考える力にならないと語る。

東欧スロバニアでは大学教育も無料。国民ばかりでなく、外国人留学生も無料。アメリカからの留学生が喜んでいる場面が写っている。

ポルトガルでは麻薬は犯罪でなく、所持しても使用しても薬物依存症として、治療の対象。当局者は酒やたばこの依存症者を逮捕しますか、と問う。スウェ―デンの刑務所では殺人犯でも模範囚なら一軒家を与えられ、バス・シャワー付き、包丁がいっぱいある台所、テレビもある空間を与えられている。

ムーアは映画の冒頭、アメリカ国防総省で四軍の将官から、第二次世界大戦後、アメリカは敗け続けている、どうすればいいかとの質問にたいして、軍事力増強なんかよりも優れた文化や歴史を学んだ方がいいと答えて、このドキュメンタリーを始めている。

アメリカどころか日本もまた持ち帰りたいような働き方や教育の仕組みを取り入れている国がある。何が生きてゆく上で大切か、という命題にかんして、これらの国々が取り入れている制度に感嘆します。ムーアのドキュメンタリー映画はいつも大いに示唆的で興味深いです。

*1 原題は「Where to invade next」

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