おべっか

トランプ政権はスータトして1ヵ月になります。
ガタガタの船出です。
いまだに閣僚(長官クラス)が、ひとケタしか決まらない。
要するに政権の体をなしていない。

労働長官に白羽の矢を立てたら辞退されたり、せっかく決めた安全保障担当補佐官が不正な取引をロシアしたカドで更迭されたり、、上級顧問が公職の立場でトランプの娘ブランドの商品宣伝をTVでやり、倫理局か懲戒処分を求められたり。イスラム・中東7カ国からの難民・移民の入国禁止の大統領令が地裁、控訴裁で連敗したり。
 
指導力や統率力にかけるうえ、方針を朝令暮改したり、無教養と下司な品性をさらけ出していますので、すでに任期4年間をまっとうするとは、だれも信じていない。超大国のトップが、これほど信頼されないのは、世界的な不幸でもあります。こんな人物と地球の命運を共にしたくないものです。

こんなトランプをいち早く「信頼できる指導者」、「素晴らしいビジネスマン」と持ちあげ、わざわざトランプ好みの黄金色のネクタイを締めてすり寄り、ゴルフ三昧にふける醜態を世界中にさらしたアベに、冷ややかな記事が相次いでいます。

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ニューヨーク・タイムズの風刺漫画。ドライバーのアベと後部座席でハンドマイクを持つトランプ。あきらかにトランプの命令のままに必死にハンドルを握る悲壮なアベ。日米の力関係を雄弁に物語っていますが、この関係を保つために、アベは進んで50万円のゴルフクラブを手土産に大統領就任まえからにじり寄っただけに、切ない。嘲いものです。

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米トップ週刊誌タイムの記事。「トランプへ、日本から、愛をこめて」とあります。007の映画タイトル「ロシアより愛をこめて」をもじったのかもしれません。そして、記事の見出しです

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「日本の首相がトランプ大統領のハートをつかむ方法を見せました。おべっかで。」
FLATTERYとは、おべっか、見え透いたお世辞、阿諛追従という意味ですから、強烈な批判です。(*1)

おべっかするアベ、という印象は、アメリカの有力メディアに共通したもののようで、別のニュース専門局MSNBCのアナリストも「トランプにこれほどおべっかする外国の首脳はみたことがない」と論評されています。この言葉は、さきごろ国会委員会で民進党議員が質問の前説にふっていましたが、アベは苦笑いしてました。苦笑いどころではない。恥入るべきです。

アベがおっとり刀で首脳会談に出かけたとき、アメリカ国内も世界も一番の関心事は、あの移民入国禁止の大統領令の成り行きでした。記者会見の質問も、日米会談どころか、そこに集中しましたが、アベはついでに問われて「アメリカの国内問題なのでコメントする立場でない」と答えて、記者団を呆れさせました。

アべは演説などで決まってアメリカや韓国に対して、自由と民主主義、共通の価値観を持つ国同士といい、中国を排斥しますが、難民や移民の受け入れこそ民主主義による人権や人道上の共通の価値観なのに、ノーコメントです。これも明らかにトランプに配慮したおべっかです。

先進国の首脳たちはこぞって大統領令を批判しています。ドイツの首相は「地域や信仰を疑うことは正当化できない」、フランス大統領は「難民保護の原則を守らなければ民主主義は守れない」、カナダ首相は「多様性は我が国の強みだ」、あの「特別な関係」にあるイギリスの首相さえ「対立を生み間違っている」と述べています。

(写真はGoogle画像検索から引用)

*1 http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/585.html
   やはり出た。安倍外交の侮蔑的評価。米国タイム誌見出し「日本の首相はトランプ大統領のハートへの道を示した…へつらっ   ている
*2 http://article9.jp/wordpress/?p=8137 澤藤統一郎の憲法日記

ダブルスピーク 

まさしく厳寒の候。コタツに入ってDVDをみたり、新聞や本を拾い読みして、ぼんやり。
昔なら喜寿を超えた年寄りは何をして一日をやりすごしたかな。

そもそも喜寿と称して,ことさらに寿ぐほどだから、長命は珍しかったのだ。喜寿くらいなら履いて捨てるほどいるご時世ともなると、長生きすれば、いいというものでもない。長生きしたため、つまらん世の巡りあわせを見るはめにもなります。

アベ政権は、このところ、打ち出す政策にダブルスピーク(二重語法)が目立ちます。
封建領主の「民を由(依)らしむべし、知らしむべからず」姿勢を学んだようです。歴史を翻ってみても、憂うべき状況であります。

ダブルスピークとは、コトの本質の重大さをワザと矮小化して見せたり、隠したり、ごまかしたり、あいまいにしたり、解釈の余地を多様化したりする語法のことです。秘密保護法という名称が、ダイレクトだったのが、批判の対象になったのに懲りたのか。その後は

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集団的自衛権の解釈変更で成立させた「戦争可能法制」を「安全保障法制」、
カジノ解禁がポイントの法案を「統合型(IR)リゾート法」、
「共謀罪」を「テロ等組織犯罪準備罪」などが、それです。
核心をつく部分をはぐらかしています。さながら悪名高い大本営発表の再来です。

国民の目をそらすダブルスピークの事例を、、、たとえば戦時中、大本営は「全滅」を「玉砕」、「撤退」を「転進」、「自爆作戦」を「バンザイ突撃」あるいは「特別攻撃」、「避難」を「疎開」といった、アレですね。あげくに無条件降伏の「敗戦」なのに、彼我対等であるかのような「終戦」と言い換えてます。

長い侵略戦争の発端になった日中との戦争も、最初は「支那事変」とごまかしていました。「開戦宣言」がなかったから「戦争」ではないと言い張ったのです。いずれも事態の真実を国民に知らせず、ごまかして、結局、国家の道を誤まりました。

こんなことを思い出すには、昨年、南ス―ダンに派遣された自衛隊の活動記録は、破棄したといっていたのに、記録が出てきたからです。防衛省はマスコミには隠蔽していたが、与党である自民議員から追及されて、しぶしぶ陸上自衛隊部隊が昨年7月11、12日に作成した日報を公開した

その日誌には現地で「人が殺傷されたり、モノがこわされた入りした戦闘があった」といくつも記されている。政府は「複数の発砲事案」と採り立てて問題視するような事態でないと答弁していた。

「戦闘」であればPKO派遣5原則の一つ(紛争当事者間の停戦合意が参加の条件)が守られていないことになり、派遣の正当性が崩れます。

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イナダ防衛相は8日の衆院予算委員会で「戦闘行為」の有無について、「殺傷行為はあったが、憲法9条上の問題になる言葉は使うべきではないことから、武力衝突という言葉を使っている」と説明。「戦闘行為」を「武力衝突」と言い換えていることを認めています。

ダブルスピークを認めたことも重大だが、もっと重大なことは、その理由が「戦闘行為」であれば憲法9条上の問題になるから」と言う点です。これはひどい言い逃れです。事態が憲法違反であることを認めたうえで、そうでないと受け取れる表現に言い換えています、という論法です。

こんな国民をバカにした答弁がまかり通るのであれば、戦時下の大本営発表と変わりがない。「靖国神社というのは不戦の誓いをするところではなくて、『祖国に何かあれば後に続きます』と誓うところでないといけないんです」と述べる(*2)気色が悪い極右オバサンが、本末転倒の詭弁を弄するのは、アベ政権の意向と合致しているからです。

アベやイナダは国際貢献という大義のためなら自衛官が窮地に陥っても、死傷してもやむなし、むしろ犠牲者が出た方が、国際社会でPKO派遣の実績作りになるとでも考えているのだろうか。万一、そういう事態は起きたら、きっとダブルスピークで「戦死」を言い換えることでしょう。

南スーダンのような遠隔地で、しかも派遣国の国益の直接影響がないようなところの紛争で、なんで自国民がわざわざ血を流しに行かねばならないのか。欧米諸国は、この引き合わない犠牲から手を引きたがっています。

南スーダンへ軍を派遣しているのは、欧米ではイギリスの工兵部隊だけ。日本を除けば、ネパールやスリランカ、インドやエチオピア、中国、マレーシアなどすべて開発途上国です。

戦争ができる普通の国を目指すアベ政権ですから、自ら買って出て自衛隊を派遣していますが、国際社会からみれば、アベ政権のこの前のめりは好都合で、体よく利用されているように思えます。

アベは、何のために各国にカネをばらまいているのか。「憲法上の規定があるので、武力で支援できませんが、せめて経済支援だけでも」というスタンスが、なぜ取れないのか。

国際社会は日本の不戦憲法を理解しています。黄門さまの印籠のような特別の存在を邪魔扱いしているのは、当のアメリカと追随するアベ政権です。

国民に対しての施策さえダブルスピークで実態をごまかし、安全が脅かされる危険な紛争地域に送り込んで、その代償に得る国際社会の評価が、それほど大切かどうか。

真珠湾でスピーチした「不戦の誓い」を、、、嘘に決まっていますが、、、実践するなら、憲法9条でもって世界に貢献すべき道こそが正しいと思えるのだが、このままではトランプに新たな肩代わりを背負わされるにちがいない。

(写真はGoogle画像検索から引用)

*1 2017年2月7日 朝日新聞電子版 
   http://www.asahi.com/articles/ASK2834BRK28UTFK006.html?iref=comtop_8_07
   「9条上問題になるから『武力衝突』使う」 稲田防衛相

*2 Wikipedia 稲田朋美の項にある。「小泉総理は国家の代表として靖国に行くべし」『WiLL』2006年9月号の座談会で。

いい話二題

”でんでん”首相にくわえて、眉を顰める悪手を繰り出すトランプの話題。
こんな手合いに飽き飽きしていましたら、いい話を聴くことができました。
一つは、天網恢々という朗報、もう一つは実直な70代障碍者の前向きな話です。

元大阪府知事だったハシモト某。彼が雑誌記事について起こしていた名誉棄損の訴えが最高裁で敗訴しました。ハシモト某は演技性人格障害などの精神疾患の特徴を備えた人物であると最高裁がお墨つきを与えました。こんな人物に熱狂した人たちこそ、恥じ入るべきです。(*1)

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確定判決によれば、 2011年10月発売の月刊誌「新潮45」は「大阪府知事は『病気』である」と題し、ハシモト某に精神疾患の数々の特徴が当てはまるとする記事を載せた。ハシモト某は、この記事で名誉を傷つけられたとして、出版元の新潮社と、執筆した精神科医、野田正彰氏に損害賠償を求めた。 一審大阪地裁判決は、名誉棄損を認めたが、控訴審の大阪高裁で逆転無罪、最高裁もこれを支持した。

争点になった野田氏の記述のなかには、

橋下が精神疾患であり、橋下の高校時代を知る教諭の「嘘を平気で言う。バレても恥じない。信用できない。約束をはたせない。自分の利害にかかわることには理屈を考え出す。人望はまったくなく、委員などに選ばれることはなかった」


とのエピソードがありました。

最高裁はこの点について「真実と信じる相当な理由がある」と判断したわけです。取材に応じた高校時代の教師は、卒業ウン十年たっても、ハシモト某の特異な性格を記憶していました。よほど常ならぬ挙措振る舞いがあったと見えます。

こんな人物の口車を時代の寵児と持ちあげ、都構想のような誇大妄想を煽り立てたマスコミや、過大な期待をかけた多くの有権者も、よくよく反省しなければならない。詐欺同然の勧誘商法みたいな出まかせを言う人物を見抜けなかったのですから。

海の向こうのトランプなら、その非常識ぶりを批判するのに、近場のバカを見る目がないというのは困ったものです。特にマスコミの責任は大きい。

不逞の輩の話とちがって、ちょっといい話を聴きました。聞くまでは見ず知らずの人ですが、人の話は聴いてみるものです。

通っているジムでTシャツの上に「視覚障害者」と前後に書いたゼッケンふうのかぶりものを着たおじさんがいます。時々みかけるのだが、目が悪いというには動きは敏捷で、のびのびと器具を操って、笑顔も絶えません。

つい好奇心が動きます。一年まえに左目の光を失くして、不自由に泣いている身には疑問でもあります。

「失礼ながら、とても元気そうに動いておられますが、目にどん不具合があるのですか」
おじさん、すこしも嫌がらず、気軽に身上をしゃべってくれて、驚きました。

72才、十年前に突然、加齢黄斑変性という目の難病になり、失明。いまも通院して経過観察中だそうです。身体障害者資格2級に認定された。目先の人やモノはボンヤリと暗闇のなかで影のように見えるとか、道を歩くときは、白杖がかかせません。ランニングが好きやったんやけどなあ、と天井を仰ぐ。

視力がなくなってから、不思議なことに耳がよくなり、モノ覚えもさえてきたといいます。具体的には、人を声色で聴き分けられるようになった。ジムの建物の2階のフロントにくるまでの階段は最初が8段、曲がって9段、ついで17段上がり、踊り場からはさらに17段だと覚えているそうです。(あとで調べると、確かに、その通りでした)。

2級の障害者年金は80万円だが、長年働いてきた厚生年金の方が多い。併給はダメなので障害者年金はもらわず、厚生年金と企業年金を合わせて、まあ、こんなところで体を鍛えていますとのこと。

「黄斑変性については、iPS細胞の移植による治療技術の研究が進められているニュースがありますね」
「そうです。通院先の先生の話では、アメリカの方がちょっと進んでいて、視力の回復には至らないけれど、かすかな点のような光を感じるようになった手術例もあるらしい」
「アメリカですか」
「そうや、アメリカへ行くのは、手術代、往復代含めても3千万円くらいいるそうな」

「わたしの動脈閉そく症の方は、治療法がまだ、ぜんぜんないんですよ」
「そうでっか。でもね。生きてる間に、いい治療法ができる、と思わんとやってられませんな」

なんとも、さばさばした、前向きのスポーツ大好きおじさんでした。健気な覚悟に教えられました。

(写真はGoogle画像検索から引用)

*1 2017年2月2日 毎日新聞電子版
     橋下徹氏の敗訴確定 最高裁決定
     http://mainichi.jp/articles/20170203/k00/00m/040/040000c
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