ロケット

北のロケットが発射されて数日経つと、急速に話題にならなくなった。世論というのは、この程度の熱意で形成されるものある。熱くなるのも冷めるのも早い。基本的に世論というのは、一人ひとりの利害についての関心の寄せ集めであるから、得にならないことは、つまるところ、どうでもよい、のである。

北のロケット問題は、日本の主権を脅かす。国家的脅威だと国民は本気で考えているわけでない。そういうナショナリズムの強い関心なら、これほど簡単に冷めることはない。秒速8キロ以上で飛ぶロケットを本当に打ち落とせるのか、領土、領海の何処かに落下物があるかどうか、そのスペクタクルの面白さに湧いたにすぎないかもしれない。

北の言い分を受け入れるわけではないが、宇宙空間がどこの国が利用してもOKだ、國際社会はそれ自体を非難することできないが、日本政府がそれをも非難している。つまり北が主張している人工衛星ではなくて弾道ミサイルだと固執している。しかし、人工衛星もミサイルも打ち上げ技術的には同じもので、核(爆弾)を搭載しているかどうかの違いである。軍用機と旅客機に大きな違いがないと同様である。

そもそも米ソが苛烈な宇宙開発競争をしてきたのは、本来、いつでも軍事転用が効くからである。ロケットやミサイルや人工衛星を生み出す力はいつでも殺戮兵器に変身するから敵に負けられなかったのだ。「何に用があって宇宙開発」という素朴な疑念はいまも解消されていない。いまやっている宇宙ステーションつくりだって、そうである。

ところで国連決議違反という点でも、この発射が弾道ミサイルかどうかで成り立つ議論であるから、安保理が一つの見解で合意するとは考えられない。旅客機だと言い張るか、その立場を支持すれば、それを逆転するのは難しいだろう。理事国の国益の絡み方次第である。

今回のロケット問題は、日本政府が過剰な対応して国民の安全安心を守っているというメッセージを出してみせたこと、この際、北の脅威を煽り、自衛隊の迎撃スタイルを米軍と共同作戦でいくつかを演習できたこと、中枢部に情報伝達システムに不慣れなアナがあることが把握できたこと、、、など成果と言えるかもしれない。

日本政府は北に振り回されないで、本気で国交正常化に道筋をつけるべきである。北が話し合いに乗ってこないというのは、言い訳ですぎない。

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