また日垣隆の本を読む

「いい加減にしろよ((笑)」(文芸春秋)
本のタイトルにカッコ笑がついているのは珍しい。

奈良で小学Ⅰ年の少女が拉致され、暴行を受けたあと絞殺されて
道端の溝に遺体が遺棄された事件があった。容疑者は新聞販売店
員、小林薫。まだ記憶に新しい衝撃的な事件だった。

実は小林薫は、89年にも大阪で幼女8人への強制わいせつ容疑で
逮捕されている。その後の91年にも五歳幼女を襲い絞殺に及んだ
が、目撃者の証言で逮捕されている。前者では執行猶予、後者では
3年に実刑判決を受けている。つまり小林は幼女狙いの凶悪事件を
引き起こす常習者なのである。

「いい加減にしろよ」と言っているのは、こうした犯罪者を野放し
にするこの国の司法の不備のことだ。小林のような人物を司法は、
安っぽい情状を酌量して、驚くほど軽い判決を下す。この司法の軽
さと、再犯性が強い性犯罪者を野放しして、司法の監視下におかな
い現状が、ずっと改善されないでいる。

現行の少年法は「少年の健全な育成}を目的として制定されている。
少年少女は本来、性善であって、凶悪重大な犯罪を犯さないし、仮に
犯しても、矯正すれば、更生の道が開かれているとの言説のうえに
創られている。自転車寸借や本の万引き程度も、殺人、放火、強盗、
強姦、傷害致死などの重大事件もひっくるめて「非行」とされて、
容疑少年の更生本位に保護される。凄惨無残な被害を受けて被害者
や、その関係者の立場を守ることについては放置しながら、加害者
の人権ばかり尊重する。「いい加減にしろよ」である。

この著者は、こうした要約では書ききれないほどの資料ヤデータを
駆使して、このような「いい加減にしろよ」問題をたくさん取り上
げて、警鐘を打ち鳴らしている。

コメントの投稿

非公開コメント

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
プロフィール

tajifu

Author:tajifu

ブログ内検索
RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる