記者会見

民主党政権が動き出して1週間。

民主党は長年、攻める側にあって、満を持していたのせいか、新任各大臣はマニフェストの実施や方針説明に大わらはである。あわせて記者会見についても新機軸を打ち出している。「官」による会見を制限し、「政」が責任発表する仕組みである。

実は、このことは国民にとって素晴らしい姿勢なので、歓迎すべきことなんだが、役所の記者クラブ依存体質が抜けないマス・メディア側は、さぞかし困惑していることだろうと想像する。ただ、この会見方式の変革に伴う困惑は、メデイア側からは決して報道されないだろう。

民主党政権は、官僚による記者発表を制約して、政策にかかわる事柄は、「政」がやる。つまり国民に訴える、理解を求める、説明責任を果たすことは、大臣、副大臣、政務官ら国会議員が行うという。当然といえば、当然の姿に戻すことになった。

「官」は本来、「政」を支える裏方、黒子であるべきなんだが、永年の自民政権は、この大切な任務を放棄して、官僚依存、官僚に丸投げしてきた。「政」がやるべきことを、仕方なく官が代弁していた事情もなくはない。だらしない政治家の肩代わりをしてきた点には多少の同情もあるが、なかには夜郎自大になって、あるいは、あたかも「政」の立場同然になって国家の施策をしゃしゃり出てしゃべっていた官僚がいた。

新政権は、この点を改めて政治主導でやることにしたわけだが、実は従来のマス・メディアは、この官僚主導による官僚のための官僚の記者会見にどっぷりつかって記事を書いていたのだから、「政」一本に窓口を絞られると、おおかたの記者諸君はおそらく大変困惑するだろう。これまで記者クラブに出勤して、お茶を飲んでいれば、つぎつぎと官僚たちが報道資料を届けてくれていたからである。

官僚の記者会見には、必ずA4ぺ-パーに関連する事柄の主要なデータ、事実、ポイントが盛り込まれているほか、その担当官庁による事柄に対する見解まで記載されているので、報道班各位は横書きのものを縦書きするだけで、こと足りていた。ほんのすこし、やる気がある記者がいたとしたら、せいぜい電話で関係者に意見を求め、記事に追加するくらいである。

居ながらにして取材できていた仕組みではつとまらない。普段から勉強して、事柄の流れを把握していないと「政」の発表をもとに的確な記事が書けないということになれば、今回の記者会見の変革は、よりよい報道姿勢を喚起する一石となるだろうな。

とはいえ、言論の自由ふりかざして既得権益を手放さないですむ別のラクチン取材の口を捜すかもしれないけれど。今回の改革は言論の自由の制限とは、まったく別の役人による政策主導を断つ窓口一本化にすぎない。

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