「戦場のアリア」を見る


aria


第一次世界大戦下のフランスでの、最前線での敵味方の嘘のような
ヒューマンな交流を描いた作品。クリスマスを控えて約百メートル
隔てた塹壕に対峙する英仏連合軍とドイツ軍。三軍の兵士は戦争に倦み、クリスマスを自宅で迎えたいと思っているが、せれは夢のまた夢。

ところが、雪で迎えた当日、独軍兵士の夫を追ってきたオペラ歌手の
妻が最前線で聖歌を歌い、英軍付きの神父がミサを行うに至って三軍
の兵士は、クリスマス一時休戦をする。クリスマスツリーを飾り、
兵士たちは家族の写真をみせあい、シャンペンで乾杯、サッカーに
も興じあい、ひとときに平和を楽しむ。「聖しこの夜」など知られた
賛美歌を歌われる。やがて英軍のバグパイプの「蛍の光」の演奏のもと、各軍隊は元の塹壕に戻ってゆく。そして翌朝、再び殺しあう砲弾
と銃声の雨。

この前線での「勝手な」休戦は上層軍部の知るところになり、兵士へ
の迫害が始まる。英軍のミサをした神父は解任される。それを伝えた
上司の神父は「恥知らず」となじり、独軍をひとり残らず殺すこと
が平和の地の誕生などと説教する。国家レベルの戦争の大義と平和
を望む兵士たち、国家の大義に迎合する教会。美しい森や田畑を背景
に戦争の虚無を描いている。1914年にほんとうに在った戦争の裏
話。いまでは欧州で伝説化された話になっているそうだが、その伝承が今の世にも生かされていない現実を思い知る作品でもある。
2005年アカデミー賞外国語映画部門ノミネート作品。

   クリスチャン・カリオン監督 ビデオ版

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