無力な国連

シリアのアサド政権が、国民を弾圧、虐殺を重ねています。そう伝えられ始めてから、久しい。国際社会は、シリアに対して、暴虐をやめるように声明を頻発、いろいろなかたちで、非難し、政権に揺さぶりをかけていますが、まったく無視されています。アサドの姿勢を転換させるだけの国際的な影響力はどこにも見当たりません。

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すでに元国連事務総長が二度も訪問して、アサドと会談をしていますが、アサドの言い分は政府軍は関与していないと主張するばかりです。国連の監視団も入っていて、弾圧される側の情報を国際社会に伝えていますが、その国際社会は必ずしも一色ではありません。とくにロシアや中国などはアサド政権寄りの姿勢を保っており、これがアサドにとっても大きな後ろだてになっているのは間違いない。アラブ諸国よりもイスラエル偏向のアメリカとわかりきっているだけにアメリカが、いくら強硬な声明を出しても、シリアからは無視されている。

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こうした内戦状態のなかで一番の災厄は、政府軍に無差別で家を焼かれ、女性や子供を含めて虐殺される国民です。時間をおかず数十人から百人を超す単位で大量殺害が報道されている。これほど無辜の国民は不幸にあえいでいるのに、国際社会は、この国家的暴力を制御する手段を持たない。

過去の世界中での内戦や紛争や圧政が問題になったときでも、そうだったように国連は、平和の回復に有効な力を持たない。国連が組織されて60年以上たちます。世界の国々が運営資金や人材をだしあって、世界の安全保障を維持、発展させるという崇高な目的は、現状の実態としては、いまだに理想に過ぎない。

大きな国際社会という枠組みがある一方、主権国家の独立性を認めているので、肝心な一国家内で起きている重要問題にたいして、国際社会は手も足も出せない。そのため北朝鮮のような圧政国家が存立できています。国連PKOの運用もうまくいかない。国際社会が寄ってたかって、悪をやっつけるというシナリオは効果をあげていない。

仮にずっと先にアサド政権が、おおかたの国際社会が望むようなかたちて、崩壊したならば、そこで国連は家なき難民を、父母を失った子供たちを、欠損家族を、支援に立ち上がるのだろうが、この後手後手の後始末のための人道支援のなんとむなしいことか。

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)やUNICEF(国連児童基金)の活動には大いに有意義でありますが、国連が事後の救済に限って国連組織のメリットを発揮しているのは、まったくおかしいことです。この国連組織が問題の発生源や発生したときの対処法を持たずに、アフタケアだけに成果を上げるのは、本末転倒じゃないですか。

こうした無力な国連をいつまで続けるのだろうか。国連は葵の印籠を振りかざして事態を収める黄門様の威力を持たない。世界益と国家益との兼ね合いについて、国際社会は、いまもって解決すべきスタンダードを持たない。

(写真はGoogle)

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