三本の矢

4日朝の毎日紙によると、安倍内閣支持率は63%。前回調査より、11ポイント高くなったという。その背景には経済政策に期待をかけている国民の願いが反映しているとある。

安倍首相の経済政策というのは、金融緩和、財政出動、成長戦略を三本の矢にして、物価上昇率2%というインフレターゲットを目指し、デフレ脱却するというものです。三本の矢というのは戦国の武将、毛利元就の訓です。一本では簡単の折れるが、三本束ねると、なかなか折れない。お前たち3兄弟は協力してお家繁栄に当たれと示したというエピソードによっています。

アベ首相の強硬発言を市場は敏感に反映して急速な円安になっています。1円、2円上がれば、何億円という為替差益が生み出せる輸出主導企業はウハウハです。こうした政策を同志社大の浜教授は、どこの国に自国通貨の価値を人為的に下げる国があるかと酷評しています。ドイツのメルケル首相も懸念しています。近隣諸国も対日本貿易への悪影響を非難しています。日本さえ儲かればいいのですか、と。

インフレ物価を誘導し、名目上の利益が増えれば企業が儲かる。儲かれば、関連企業が潤い、働く人々の給与が伸びる、伸びた給与は消費に回り、みんなそろってウハウハという構図を描いているのでしょうが、そんな絵に書いたようなウマイ話ならとっくにやっている。

ターゲットの2%というのは、この10年一度も経験したことがない数値。原油高、材料高で諸物価が値上がりした08年で2%程度だったが、ガソリン代や食料品が上がり往生したことを覚えているはず。その状況を目指すというだから、2%は相当な劇薬。政府が数値を掲げると、必ず便乗値上げ組みが輩出する。それに2%ということは平均だから数少ない0%から、なかには10%くらいまで上がるものも必ず出てくるわけです。

物価だけが先行アップして、給与アップがついていかないのだから、GDPの7割を占めるという消費が伸びることにつながらない。コイズミ内閣も同じような政策をおこなったが、規制緩和で儲けた企業は内部留保を積み上げて、給与には回さなかったから、経済格差は一層深まった。いまにつながる非正規、派遣の低収入労働者を大量に生み出した。

多くの国民の立場からいえば、給与や年金がアップし、経済の先行きが安定していれば、自ずから消費は伸びる。いま消費が伸びないのは、給与が安い、少ない手持ちをなけなしの金利の貯蓄に回して備えようといるからです。国や政治家や大きな企業本位の経済政策への暗黙の不信の表れでしょう。

年金生活者にとってみれば、いまのデフレは結構なことだ。暮らしに直結した物価が安いことになんの支障もない。金融機関、大企業の業績不振をカバーしてやっているゼロ金利政策だけはいただけませんけどね。どんなに多くの利息を損してきたことか。

たとえば、いま預貯金は定期でさえ0.025%くらいの金利。インフレターゲットの2%というのは、ウン十倍に相当する。なけなしの金利はパーになるは、日常の買い物はどんどん値上げになるはという事態は目に見えている。63%もの内閣支持率を支えるなかの多くの庶民が、そのとき悲鳴をあげても遅いのです。なにか威勢のいい強硬発言をすれば、いいことありそうと期待する心理構造は、橋下現象と同じですね。

弱者へ目を向けない安倍の経済政策を「アベノリスク」と言っていた女性政治家がいたが、言えて妙である。しかし、その経済政策よりも、なお危惧するのは、改憲、集団的自衛権の行使可能、国防軍創設です。この極右3本の矢の方がはるかに国を危うくします。

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