「大阪都妄想」反対 その4

3回にわたって書いてきました「大阪都」妄想反対は、今回で一服します。

さて、「大阪都構想」について住民の判断材料を藤井聡京大教授が提示したことに、ハシモトがとうていまともな公人とは思えぬ異常な悪態をついています。

さらに藤井教授を世間知らずの学者バカという敵に仕立て上げて、、、、、気に食わぬと、敵に仕立てるのがハシモトの手口ですが、自由な言論さえ封じ込めようと京大やTV局にまで圧力をかけています。このような強権的手法を平気で行うことに、とても弁護士資格を持っている人物とは思えません。藤井教授が詳しく経緯を報告しています。

権力による言論封殺には屈しません *1 
平成27年2月7日
藤井 聡

「大阪都構想」にいま一番必要なのは議論のための「自由な空気」です。しかし今、その自由な空気が「大きな権力」によって封殺されようとしています。

詳しくお話いたします───私、藤井聡は1月27日、「大阪都構想:知っていてほしい7つの事実」という原稿で7つの事実を指摘しました。
事実1:今回の住民投票で決まっても、「大阪都」にはなりません。
事実2:今の「都構想」は、要するに「大阪市を解体して五つの特別区に分割する」ことです。
事実3:年間2200億円の大阪市民の税金が市外に「流出」します。
事実4:流出した2200億円の多くが、大阪市「外」に使われます。
事実5:特別区の人口比は東京は「7割」、でも大阪では「たった3割」
事実6:東京23区の人々は、「東京市」が無いせいで「損」をしています。
事実7:東京の繁栄は「都」という仕組みのせいでなく、「一極集中」の賜(たまもの)です。

そうしますと2月2日、大阪維新の会からこの文書が送りつけられてきました。

要するに、私が大阪都構想について間違った情報を流し、市民に誤解を与えているというのですが──何度読み直しても、さっぱり意味が分かりません。

第一に、そもそも私の議論のどこが間違っているのか何の指摘もありません。これでは討論を始めることすらできない。
第二に、「憤りを感じ、強く抗議」と書かれているのですが、「憤りながら抗議」するならそもそも、「冷静な議論」は無理です。
第三に、当方の記事発表後から、今日までの橋下市長によるツイッターや記者会見での私に対する執拗な罵倒、例えば、「バカですから」や「チンピラ」等は異常としか言いようがありません。とても自治体の首長の振る舞いとは思えません。

つまりこれは「討論」でなく、「ケンカ」の申し入れなのです。しかも私は、この申し入れを一種の脅迫と解釈しています。「公開討論という名の『ケンカ』を売られたり、ツイッターや記者会見などで罵倒されたりするのが嫌なら大阪都構想について発言するな!」と脅す、そんな手口なのです。

冷静な議論ならいざ知らず、橋下代表と在特会桜井氏との公開討論を見ましたが、あのようなやり合いが「市民の公正な判断の機会」になるとも、到底思えません。したがって、大阪維新の会からの公開討論の申し入れには応じません。返答をするつもりもありません。

今回の「根拠を明示しないままの申し入れ」は、大阪府知事と大阪市長、そして、公党代表・幹事長という強大な公権力者による言論封殺と言わざるをえません。

おそらく橋下市長やそのシンパ(信奉者)達は、私が公開討論に応じなかったことをもって「藤井が逃げた!」と叫び、橋下市長の正当性を印象づけようとし、言論封殺を繰り返すでしょう。よろしい、叫び続ければよい。しかし私は、そんな「言論封殺」には屈しません。

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私、藤井聡は今後とも、日本、そして何より我が愛する青春の街、大阪のために、大阪都構想に対して発言し続けます。私の言論はいかなる圧力、脅し、あるいは嫌がらせにも、絶対に、屈することはありません。
「都構想」の投票日100日前/平成27年2月7日 藤井聡




大阪都構想のデメリット:「市の五分割」によって行政コストが上がるというリスク  *2  

2015年2月27日
藤井聡・京都大学大学院教授

■都構想のデメリットについての議論
大阪都構想を巡っては様々な「議論」の様なものがなされていますが、その中の少なからずの部分が冷静かつ理性的ものとは言い難く、詭弁による印象操作にまみれたものも多数あり、誠に残念な状況です。(たとえば、http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/02/24/fujii-133/、http://satoshi-fujii.com/150217-3/、http://satoshi-fujii.com/150208-2/、等を参照ください)

ですがそんな中でも、大阪市特別顧問の高橋洋一教授との本誌面上での誌面討論は、大変に理性的で実りあるものとなりました。 そこでは、『大阪市の税金2200億円が、別目的に流用されてしまう』という問題が論じられましたが、おかげさまでその論争を経て、当方がなぜそのような見解を持っているかを、より明確に公表することができました(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42056)。

そして今は、その論点についての(詭弁による印象操作が使いにくい)「書面」での反論を公募(http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/02/17/fujii-132/)しているところですが、少なくとも本稿執筆時点では、未だ、当方の手元には「冷静な理性的反論」は届いていない状況です。

いずれにしても、その「2200億円の流用問題」は、大阪市民にとっては大変に大きな「デメリットのリスク」を意味しています。 しかし、「都構想のデメリット」のリスクは、その一点にとどまるものではありません。 本稿では、そんな「都構想のデメリット」の中でも、特に重要なものの一つを、取り上げたいと思います。それは、「市の五分割」によって行政コストが上がるというリスクです。

■大阪市の「解体分割デメリット」の存在
そもそも、「都構想」が実現すれば,大阪府と大阪市の二重行政が解消されて,行政が効率化され,コストが縮減できる──としばしば指摘されています. しかし残念ながら、都構想が実現すると、二重行政の解消というような「メリット」が生まれる可能性だけでなく、新たな「非効率」が産み出されるという新たな「デメリット」が生ずるリスクも強く懸念されます。

つまり、協定書の記述を詳しくみてみると、「都構想による効率化」というイメージとは「真逆」のことが起こってしまうリスクがあるのです。そしてそのリスクをつぶさに考えた時、その非効率化リスクは、(議会では年間1億円程度しか無いのではないかとすら言われている)二重行政解消というメリットを遙かに上回るものなのではないか、という懸念が生じてくるのです。

その理由は複数挙げられますが、ここではそのなかでも特に重要な「行政の五分割に伴うデメリット」について、詳しく解説したいと思います。

そもそも、都構想が実現すれば「市と府」の二重行政は幾分解消するかもしれませんが、その一方で大阪市という「1つの役所」が解体され,特別五区の「5つの役所」ができあがり、それを通して行政コストがかえって高くなってしまう、ということが懸念されます。

なぜなら第一に、この5つの区役所には、似たような窓口や総務部を作らざるを得ないからです。 もしも、一つに統合できているのなら、1人でできる仕事も、5つものバラバラの区役所があるなら、それぞれについて1人ずつ各役所が雇わないといけなくなる、というケースが生じてしまいます。結果、項目によっては純粋に「五倍」ものコストがかかってしまうケースも生ずることになります。

ですがこれは考えてみれば当たり前の事です。 しばしば、民間ビジネスの世界では「別々の会社を合併することで、効率化を図る」ということが行われていますが、今回の大阪市の五分割案は、そうした効率化の取り組みの「真逆」の取り組となっているわけです。ですから今回の都構想は、「非効率化」「効率悪化」を引き起こす側面を、明確に持っているのです。

■「付け焼き刃」的な「プチ大阪市役所」(一部事務組合) ただし、「水道」「下水道」などは、既に大阪市内に、一つの一体的なネットワークができあがっています。これを、各区ごとのバラバラに運営するのは、あまりにも非効率です。 そこで、こういった「各区ごとにバラバラに運営するのがあまりにも非効率な行政」については、5つの特別区に行政を分割するのではなく、今までの大阪市役所と同じように、大阪市全体で行政を行う組織を作ることが議論されています。

つまり、5つの特別区とは別にもう一つ、特定の行政を行う「プチ大阪市役所」の様な存在を(いわば、付け焼き刃的に)作ろう、というわけです。 その「プチ大阪市役所」の組織名は、一般に「一部事務組合」と呼ばれています。何とも聞き慣れない組織名だと思いますが、「行政が行っているいろんな事務の内、一部だけを担当する、組合組織」というわけです。

つまり今大阪では、
 1)大阪市役所を潰すということに決めたとしても、
 2)やっぱり一部の行政については大阪市役所の様な存在が必要になるので、
 3)わざわざ大阪市役所を潰すのだけれどもその一部行政を行うプチ大阪市役所を作ろう、 という何ともややこしい議論がなされている訳です。

「組合」と言えば、なんだか実態が無いようにも聞こえますが、法律的には、これもれっきとした一つの「公共団体」です。 つまり、「都構想」というのは正確に言えば、「大阪市という公共団体を一つ解体して、五つの『特別区』と一つの『一部事務組合』という、複数の公共団体を作ること」を意味しているのです。

■「大阪市の解体・分割」がもたらす新たな「多重構造」
このことはかなり深刻な問題を意味しています。 そもそも、今は「大阪府・大阪市」の二重行政が問題だと言われ、その解消のために都構想だ、と言われているのですが、その都構想が実現してしまえば、驚くべき事に「大阪府・プチ大阪市役所(一部事務組合)・特別区」という三重構造が現れてしまうのです。

これは、解釈の問題ではなく、れっきとした事実です。少なくとも、現在の協定書の中身を読む限り、そうとしか言いようがありません。 そもそも、このプチ大阪市役所である一部事務組合は、特別区がおカネを出し合って事務をやってもらうという仕組みです。

つまり、5つの特別区が、それぞれの思いでそれぞれおカネを出して、共同で一つの事業をやろうとするものです。ところが、そこでの議論がうまくいく保証はどこにもありません。 異なる特別区同士がモメてしまえば、そこには瞬く間に、「特別区とプチ大阪市役所(一部事務組合)」との間に、相容れない「二重構造」が生じてしまうことになるのです。

かつてならこういうモメ事は起きません。なぜなら、大阪市内の行政には、たった一人の「大阪市長」というリーダーがいたからです。ところが、「都構想」が実現し、大阪市が解体されて5つの特別区に分割されれば、そんなリーダーが不在となり、互いに利益の異なる五人の特別区長というバラバラのリーダーが存在することになるのです。

それぞれの区長は、それぞれの区民の選挙で選ばれた人達ですから、選挙民の付託がある以上、選挙民の利益を最大化するために、他の区民の利益が損なわれようとも、自分の区民の利益を強く主張する局面は、必ず訪れます。つまり、異なる区同士の間に「利害対立」が生まれるのです。 そうなると一部事務組合の各種調整では、恐るべき混乱に陥るであろうことは必至なのです──。

無論、その話し合いの場には大阪府の関係者(知事等)も同席しますから、大阪府が、その調停において重要な役割を担うことになるとも考えられます──が、それもまたおかしな話です。そもそも、五特別区の間の調整は、かつては、大阪市長の下、一体的に図っていたのですから、そこに大阪府が介入してくるとなると、話はさらにややこしくなっていくでしょう。

──ということで、この「一部事務組合」なるプチ大阪市役所では、様々な局面でモメにモメることが決定的なのです。 いずれにしても、以上の話は、次のような「重大な事実」を示唆しています。 すなわち、今までは「大阪市」という一つの組織しか無く、全ての調整を全て役所内で行う「一重構造」だったところ、5つの特別区を作った途端に、プチ大阪市役所(一部事務組合)が必要になってしまい、その結果として「二重構造」が新たに現れ出てしまうのです。そしてここに大阪府の存在も考慮に入れれば、あっというまに何ともややこしい「三重構造」が生まれることになる、という次第です。

■「三重構造は、何も問題でない」という説明は、至って不条理 ところで、この点について、大阪維新の会の「都構想」のHPには、次のようなQ&Aが掲載されていますが、その内容は、全くもって、市民を安心させるようなものではありません。まずは是非、下記、ご一読ください。 ―――――――――――――――――――――――

Q.大阪都構想の実現で、実際には、都、特別区、一部事務組合の三重行政にならないの?
A.「大阪都と特別区で明確に役割分担することが、都構想の基本的な考え方です。 “一部事務組合”という組織で、ごく限られた事務のみを共同実施しようとしていますが、三重という言葉は当てはまりません。都道府県が担う方向で議論が進んでいる「国民健康保険」や民営化を予定している「水道事業」が含まれているため、財政規模が大きく見えてしまいがちですが、保険料のバラツキ見直しや保険財政安定の観点から、国民健康保険や介護保険の運営を共同で行うことはむしろ当然のことです。 ――――――――――――――――――――――― (http://oneosaka.jp/tokoso/q-and-a1.html 参照)

是非、この文章を繰り返しお読みになってみてください。 確かにこの文章では「三重という言葉は当てはまりません。」という言葉が書かれています。しかし、その「理由」が一切書かれていないのです。これでは、理性的な利民ならば、安心するわけにいかず、余計に不安になることもあるでしょう。

しかもここには、市民を安心させるかの様に、「ごく限られた事務のみ」が一部事務組合で担当するかの様に書かれているのですが──この記述には、重大な疑義があります。協定書に書かれている事業のリストは、「ごく限られた事業」とは決して言いがたい量なのです。

表1をご覧下さい。これが、今の協定書に書かれている、一部事務組合をつくって、特別区が共同で遂行しなければならないもののリストです。

表1 一部事務組合(いわゆる「プチ大阪市役所」)で共同で行うと言われている事業
①事業  国民健康保険事業、介護保健事業、水道事業及び 工業用水道事業
②システム管理 住民情報系7システム〔 住民情報系7システム〔 住民基本台帳等システム、戸籍情報税務事 住民基本台帳等システム、戸籍情報税務事 住民基本台帳等システム、戸籍情報税務事 務システム、総合福祉国民健康保険等介護統合基盤・ネットワークシステム 〕等
③施設管理 <福祉施設> 児童自立支援施設、情緒障がい 児短期治療施設、児童養護施設、母子生活支援施設、母子福祉施設、保護施設、大阪市立心身障がい者リハビテーションセンター、福祉型障がい児入所施設、福祉型児童発達支援センター、ホームレス自立支援センター、障がい者就労支援施設、特別養護老人ホーム、医療保護施設・養老人ホーム、特別擁護老人ホーム<市民利用施設> 青少年野外活動施設、ユースホテル、青少年文化創造ステーション、児童文化会館、青少年文化創造ステーション、児童文化会館、障がい者スポーツセンター、市民学習センター、大阪市中央体育館、大阪市立プール、靱庭球場、女性いきいきセンター<その他> 中央急病診療所、都島休日急病診療所、十三休日急病診療所、今里休日急病診、中野休日急病診療所、沢之町休日急病診療所、中野休日急病診療所、大阪市動物管理センター、キッズプラザ大阪、大阪市立北斎場、大阪市立小林斎場、大阪市立佃斎場、大阪市立鶴見斎場、大阪市立瓜破斎場、大阪市立葬祭場、泉南メモリアルパーク、瓜破霊園、服部霊園 、北霊園、南霊園 ④財産管理 「大阪市未利用地活方針」に基づき処分検討とされた土等の管理及び処分、オーク事業の終了に伴い大阪市が引渡しを受けた財産管理及び処分、大阪市の土地先行取得事業会計に属していた財産管理及び処分 これが「ごく限られた事業」に見えますでしょうか───?

そもそも、上記の解説文書の中に明記されているとおり、保健や水道が入っているため、「財政規模が大」きいのは事実です。ただ、それぞれの運営の詳細は未定な状況であり、実際の事業規模がどれくらいになるのかは、今のところ分からない状況です。

ただし、その事業規模は、場合によっては6400億円程度(これは、堺市の全予算規模に匹敵する額です)になる可能性があるのではないか、とも指摘されているくらいですから、維新の会のHPに記載されているような「ごく限られた事業」では、断じてないと言うことができるでしょう。

■「特別区」は、「風呂・トイレ共同の安アパート」とも言いうる存在 ちなみにここまで巨大な一部事務組合は、我が国には存在した試しがありません。なぜなら、表1に記載された事業の多く(福祉、市民施設、システム管理、等)は、通常の自治体なら、安価なアパートで風呂を共用するように他の自治体と共用するのではく、全て「自前」でそろえるのが当たり前だからです。

だから、一部事務組合がそこまで肥大化するような自治体運営は、これまで存在してはいなかったのです(例えば、東京で一部事務組合等が関係するのは、清掃等の文字通り限られた事業だけです)。 そもそもマンションで一人暮らしするなら、台所やトイレのみならず、風呂もテレビもポットも自前のものを買うのは当たり前だ、という事と同じなのです。基礎自治体なら、基礎的な施設やサービスは完備しておくものなのです。

にも関わらず、「都構想」実現後の大阪の特別区は「中核市並み」などと説明されていますが、そうした最低限のものも持たせてもらえず、共同利用する巨大な一部事務組合をつくり、さながら共同でトイレや風呂を使うアパート暮らしのような住まいに押し込められようとしている、と言って差し支えないでしょう。

この様に考えれば、一体何のために分割するのか──という風に感ずる方も決して少なくないのではないかと思います。 いずれにしても、こうした背景を踏まえれば、今までは「大阪市役所」という組織の中で,いろんな行政を一体的に進めてきたところ,それを解体することで余分にコストがかかってしまう事はほとんど決定的なのです。

つまり大阪市民はこれまで,一つの大阪市役所だけおカネを払えば,水道や下水やゴミ収集などの仕事を「一括」してやってもらえた訳ですが,これから五つの特別区と,一つのプチ大阪市役所(一部事務組合)におカネを払わないと行けなくなるのですからそうなることも決定的です.

あるいは、次のように考えると分かりやすいかと思います。 一つ屋根の下で暮らしている五人家族がいたとしましょう。この五人が、今度からバラバラに暮らし、それぞれアパートに住むようになったとしましょう。そうなると、トイレ、台所、風呂、テレビや洗濯機等、全てを共同利用していたのですが、これからは、それぞれのアパートに、トイレ、台所、風呂などを作らなければならなくなります。

それが、「独立」というものですから当たり前です(大阪市解体、5つの特別区の設置、とは、こういう風に解釈することもできるのです)。 そうなると、ものすごく初期投資も、ランニングコストもかかってしまいます。しかし、それでは、今の収入ではまかなえないので、仕方なく、アパートの方には、トイレと台所と寝床くらいの必要最小限のものだけ置いておいて、それ以外の風呂やテレビや洗濯機は全て、昔の家の中においておき、それを5人で共同利用する──ということをせざるを得なくなります。 ──お分かりいただけましたでしょうか?

一部事務組合というプチ大阪市役所とは、この「独立後も、経費節減のために、共同利用するためにおいておく、昔の家の一部」というものなのです。 つまり「都構想」というものは、行政の仕組みから考えれば、「五人家族で一つの家に暮らしていた」(現状の大阪市)のに、これからは「5つのアパート」(特別区)と「1つの共同利用のための家の一部」(一部事務組合)との6つを利用して暮らすようにする、という話なわけです。

もうこうなれば常識的に考えてサービスレベルが下がってしまうのは必至です。 仮に近くにアパートができて便利になったという側面もあるとしても(特別区になって住民サービスがきめ細かにできる、と言われるメリット)、そのアパートの施設は前の共同で暮らしていた家よりも圧倒的にサービスレベルは低いし、元々住んでいた家(一部事務組合)にもやはりわざわざ、ことあるごとに通わないと行けなくなるからです。

無論どうせなら、そのアパートを、立派なワンルームマンションとして(例えばそれこそ「中核市レベル」として)作るのなら良いのですが、それではおカネがかかりすぎます。そんなおカネはどこからも出てきません。だから結局、元々住んでいた家の一部を活用して、皆で「共同利用」するほか無くなるのです(例えば、アパートで共同風呂を使うようなものです)。

■「大阪市廃止・分割」で、行政サービスレベルは下がるのは決定的 しかも、これからは5人は対等の立場なので、その「元々住んでいた家」をどのように管理するのかでモメにモメることもまた、必至です。言うまでもありませんが、モメるということは、行政コストが増えるということなのです(そもそも、時間がかかってしまえば、それだけで、行政コストがかかってしまいます)。

つまり、収入(税収)が抜本的に上がるわけでも無いままに、一つの組織でやっていたものを6つの組織でやるようになるので、様々な行政サービスの手続きが「複雑化」してしまうことは必定なのです。 そして、こうして行政サービスが複雑化し、行政コストが上がると、結果的にサービス水準が低下することが懸念されるわけですが、それと同時に、その行政コストをまかなうために、様々な料金が値上がりしていく可能性も当然でてきます。

もちろん一寸先は闇、未来を断定的に論ずることはできませんが、以上の議論を踏まえれば、いろんな行政の手続きが「三重化」して複雑化すること、そしてその結果として、行政サービスが低下し、様々な公共料金が高まる深刻なリスクが生まれることは決定的なのです。

ましてや、これまで何度も指摘してきました通り、特別区民のために使われるべき2200億円のおカネが、大阪府によって別の項目(大阪府の借金返済や、他の自治体のインフラ整備、まちづくり等)に「流用」されてしまう訳ですから、行政サービス低下と、各種公共料金の値上げという最悪の事態が生ずる可能性は、ますます決定的なものだと言うことができるでしょう。

「都構想」の是非を考える場合、こうした「デメリットのリスク」についても、しっかりと吟味し、考慮し、総合的に判断していくことが不可欠ではないかと、筆者は考えます。 万一、「そんなデメリットなんてない」という意見をお持ちの方がいるとするなら、是非とも、「なぜ、当方が指摘したデメリットがないのか?」について、(不条理な印象操作や詭弁でのごまかしが困難な)「書面での理性的説明」をお願いしたいと思います。

ついてはここでも再び、そうしたご説明を「公募」申し上げたいと思います(本誌刊行から2週間以内に、本誌事務局までお送りください)。 本稿が、「大阪市の消滅か存続か」を決める「都構想」の住民投票の適切なご判断に、貢献することを祈念しつつ、本稿を終えたいと思います。ありがとうございました。

(なお、以上の見解は、筆者個人の見解であり、筆者が関わるあらゆる組織の見解との関連はありません)



大阪市内で育ち、そこで長く仕事につき、暮らしを立てた閑人にとっては、大阪市という愛着ある都市の名前が消えることは無念なことです。そのようなことを画策する連中がいることに怒りを感じます。多くの住民が不利益を被ることが予想されるのに、権力欲や名誉欲に駆られた愚者の愚策でもって、大阪市がバラバラにされかかっています。

藤井教授は、デメリットとして、財源と権限が大阪市から奪われ、住民の生活環境が不便になる一方、負担が増えると分析しています。「トイレも風呂も共同使用の安アパート化」する可能性があるとも指摘しています。

毎日新聞の都構想住民投票を問う世論調査では、賛成43.反対41と拮抗状態と伝えています。*3 ハシモトとその一派の利権を肥やすだけの施策にみんなで反対の声を上げましょう。

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「大阪都妄想」反対 その3で引用してます。

*1: 三橋貴明の「新」日本経済新聞  三橋貴明公式サイトwww.mitsuhashitakaaki.net

*2:現代ビジネス 2015年2月27日付け

*3:: 毎日新聞 3月16日付け電子版

(写真はいずれもGoogle引用)



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