喜ばしいこと二つ

その1 サンケイの前ソウル支局長が、かの国の法令違反を問われていた裁判で、無罪になりました。自由と民主主義の国であれば当然の帰結だと思います。

閑人は言論の自由こそが、あらゆる自由を包み込む優越的地位にある自由と信じています。モノが言えないことが封殺されると、すべての自由が制約されるからです。ですから、前支局長の朴大統領に関するコラムについても、言論の自由の範囲内と判断されたのは、まことにヨロコバシイことだと思います。

もっとも、現地紙のゴシップみたいな記事をもとに、国家的非常事態のときに大統領が男性と雲隠れしていたと匂わすような噂話をコラムを書くのは、根拠に欠け、品位にも悖るものです。嫌韓オピニオンのリーダー格のサンケイならではのゲスの勘繰り記事です。言論の自由を盾になんでも書いていいというものでありません。

嫌韓反中路線のこの新聞社は、なんとかして朴大統領を貶めたいのでしょう。こういう記事を本社に送る特派員がおり、こういう記事に意義があると認める新聞だということです。判決のなかで「記事内容は虚偽だ」と断じられています。にもかかわらず、無罪になったのは、言論の自由のふところの深さのおかげです。

つまらん記事を書いて、日韓関係をこじらせ、日本政府が「善処」を申し入れて、なんとか政治的判断で無罪になったというお粗末な話でした。

その2 ハシモト市長が任期満了で降りました。この大衆扇動政治家が、とりあえず表舞台から降りたのは、まことに欣快です。「とりあえず」とマクラを振らなければならないのは、ハシモトの言説には、ウソや騙しが付きまとうからです。彼自身が、それが交渉力だと言ってはばからないのですから、眉にツバをつけて聞かざるをえません。

現に退任の翌日、アベと懇談しています。退任のあいさつというのが、表向きの理由ですが、これが政界を引退すると公言した男の振る舞いですか。

だれの目にも、次期参院選挙なり、野党再編の絡みについて、なんらかの約束なり、計画なりが話し合われたと見るのが妥当です。アベと会って懇談をしたという事実をが公になることでハシモトには、一層のハクがつき、政治的に十分な意味があります。自称引退男の計算づくの政治的行動だろうなと思われます。こういう勘繰りは、必要な観測なんです。

いまアメリカで次期大統領の候補者選びが盛り上がっていますが、共和党候補、トランプがパリのテロ勢力、ISに対抗するとしてイスラム教徒の入国を全面禁止などという、トンデモナイ施策を掲げ、アメリカの大衆の支持を受けていると伝えられます。

ほぼ全国民が移民か、その移民の子孫であるアメリカ人が、宗教や民族の違いでもって差別、排除しようというバカな提唱に踊らされています。これが大衆扇動の実態です。

パリの同時多発テロ後に行われたフランスの地方選挙の第一回投票で「イスラム移民の受け入れをやめて、移民の市民権を取り上げて出身国に送り返せ」と叫んだ極右政党「国民戦線」が得票率のトップに立ちました。マリーヌ・ルペンという女性が率いる極端な排外主義の国民戦線は、テロの恐怖を煽りに煽りました。これが大衆扇動の手口です。

トランプやルペンの絶叫は、ちょっと冷静に考えれば、とても現代社会では通用しないアピールですが、大衆はやすやすと煽られて、のっかかってしまいます。その点では、トンデモナイことをもっともらしく煽る政治家と簡単に感染する有権者大衆は同罪です。

いまの選挙制度というのは、投票者の中身というか、質の問題には関係なく、数さえあればいいとい仕組みですから、いかに大衆を煽り、なんらかの期待感を持たせるか、それが勝つための要です。ハシモトがやってきたのは、トランプやマリー・ルペンと変わらぬ大衆扇動です。

表だって反発できない公務員やその組合を敵に仕立てて攻撃し、「ラクな仕事で高い給料もらっている公務員」に怨嗟の気持ちを大衆に持たせ、大衆の拍手を得る手法です。彼の達者な口先はアメリカ、アベ政権、検察、警察、つまり強者には決して歯向かわなかったが、教師や高齢者、女性や生活保護者には厳しいのです。

結局、知事、市長の約8年間を通じて、タレント弁護士として、どうすれば話題を集め、視聴率を高めることができるか、その学んだワザを実践してみたのに違いありません。彼にとって選挙は、いかに大衆操作をうまくやるか、のゲームみたいなものだったので、政策の達成なんかは重要なことではなかったに違いありません。

先の市長選で敗れた元自民市議の柳本あきらさんは、ハシモト退任について「噛んでいたガムに味がなくなったので、飽きたのでしょう」とコメントしています。いみじくも、といった感想です。

彼がやったことで唯一評価できるのは、私立高校の授業料無償化だけでしょう。これとても民主党政権が先行した公立高校無償化の真似っ子に過ぎません。あとは、ごちゃごちゃかき混ぜて、放り出したものばかり。

閑人の周辺では、ハシモトさんのおかげで暮らしがよくなった、という府民、市民の声を聴いたことがありませんね。いずれにせよ、ほんのしばらくでも、世の中が静かになるのは、喜ばしいことです。

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