映画「バベル」を観る


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不思議な構成の映画。モロッコ、東京、メキシコ、カリフォルニア
の四地点が、少年の撃った一発のライフルの銃声でつながる。モロッコの砂漠をバスで観光中のアメリカ人観光客、ブラピとケイト・ブランシェットの夫婦。窓際の座った妻が撃たれる。

バベルは旧約聖書で知られる寓話。人間が天上を制する高い塔を
築きはじめる。これを知った神は、人間の増長傲慢を諌めるため
に人間の住む場所をバラバラに、言語をバラバラにして、コミュ
ニケーションを不可能にしてしまった。

映画は、その「バベルの塔」を隠喩にして、モロッコの荒地に住む少年が撃ったライフル銃が、世界に繋がっている現代の人間の様相を四地点
での同時進行の形で描く。

東京の場面は、アカデミー賞助演女優賞候補になった菊池凛子が、聴覚障害のあるいかれた高校生役。ウイスキーをあおり、クスリを飲み、すぐ全裸になる性癖の持ち主の行動を追う。その父役の役所広司は、アニマル・ハンティングに行ったモロッコで、帰国の際、ガイドにライフル銃をプレゼントしていた。

カリフォルニアでは、モロッコ観光の夫婦の2人の子どもを預かったメキシコ女が、2人を連れて、甥の結婚式に出るためメキシコに向かう。差別にイラだつメキシコ人青年の暴走車に乗り合わせて放置され、国境の砂漠をさまよう。

政府間の対立、繁栄のもたらす荒廃、どうしようもない貧困と格差、人種差別、移民問題、夫婦という壊れやすい人間関係、、、現代社会の抱える大きな課題についてのメッセージがつよく込められた労作だ。

  アレハンドラ・ゴンザレス・イニャトウ監督  ビデオ版



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