オバマさんがヒロシマへ

マスコミはここぞとはしゃいでいます。速報を伝えるTVで、アベは、さっそく、お伴するとせきこんでいました。

オバマさんは就任直後にプラハで「核なき世界」の実現に向けて固い決意を表明、世界に大きな期待を与えました。期待先行の結果、ノーベル平和賞までもらったけれど、その言葉を裏付けるような大きな手は結局、打ち出さず、空手形になってしまった。

ノーベル賞を返せと言いたい。清新果敢な政治家と見られて登場したオバマも口先だけかと不信感を持たれていたところ、任期終わり近くになって、ヒロシマ訪問を打ち出した。

 率直にいって、来ないよりはマシだが、来たからと言って、世界が変わることはない。オバマさんの任期8年の間、やり遂げた実績の一番は、キューバとの国交回復です。この方がヒロシマ・パーフォマンスよりも、ずっと意義深い。

オバマさんは、核を手放すことなく、核の威力を背景に国際社会のトップの座にいながら、核廃絶や核軍縮に有効な手を打たないまま、核のもたらした被爆地を訪問して、なんらかの意思や感情を表明するという。これは自己矛盾のパーフォマンスです。

 オバマさんの任期を終えるにあたって、レガシー(偉大な遺産)づくりとのようです。そう思えば、一瞬でも、ヒロシマ、ナガサキの悲惨な記憶が、世界規模で人々によみがえらせることができるし、知らなかった人々に関心を呼び起こすことができるかもしれない。それが訪問の成果になるというのなら納得できます。

アベは、わがことのように手柄顔を見せたが、唯一の被爆国のトップとして、国際社会に核の恐怖、核の破壊力を訴え、廃絶や軍縮に率先垂範したかどうか。そんな外交努力は、なんにもしていない。戦後ずっと、日本政府はそうです。閑人が広島に勤務していた二十数年まえも同じで、日本政府は歴代、被爆の実相を世界に積極的にさらし、糾弾する姿勢がない。

そのいちばんの理由は、日本が安保条約のもと、アメリカの強大な“核の傘”に入って守られているからです。その立場上、核兵器のもたらす災厄をコト挙げできない。アメリカに遠慮して言いたいことも言えんのじゃろう、と広島の人は嘆いていた。敗戦国が戦勝国に対して諫言なんてもってのほか、と政府はずっと音なしの構えのまま。

本来なら唯一の被爆国であることを盾に核の解消に取り組まなくてはならないのに、核の相合傘にいるために普遍的な「核なき世界」の実現を口火を切って言えない。ましてやオバマさんに原爆投下について謝罪を求めることなんか口が裂けても言えない。そんなことを言えば、75年前、ハワイの真珠湾を卑劣な奇襲(Sneak attack)をして戦端を開いたのは、どっちだ!?。勝ち目のない応酬になってしまう。

思うに、この国で被爆の実相を世界にアピ―ルしてきたのは、政府ではない。たとえば、国連本部に出かけ、セミナーや写真展を開いたりしてアピールしてきたのは、筆舌に尽くしがたい辛酸をなめた被爆者自身や被爆関係団体の民間人たちの血と涙の努力であり、あるいは被災自治体です。

今回のオバマさんのヒロシマ訪問を機に、日本政府がいっそう拡廃絶、核軍縮に率先、あるいはリーダーシップを発揮するようになればいいのだが、そうした機運が高まるとは、とうてい思えない。アベ政権なら、なおさらです。

昨年の原爆忌でのあいさつで、当然盛り込まれることが不文律になっている「非核三原則」について、アベは言及さえしなかった。武器輸出を解禁し、原発のプラント輸出のセールスマンをやり、不法なやり方で海外派兵の道を開いたアベは、言動からして核抑止力を評価する信奉者に違いない。

彼が考えていることは、唯一、つまり、このオバマさんの訪問を参院選挙の有利な材料にしようと言うことくらいだろうが、オバマさんとワシントン筋は、歴史修正主義者のアベを買っていない様子なので、アベの期待に沿う振る舞いをするかどうか。

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