「昭和33年」を読む

映画「三丁目の夕日」をはじめ、昭和時代を懐旧する
風潮がさかんだ。33年といえば、当方が大学2年
のときだ。あの昭和30年代は、ほんとうに平和で
なつかしい時代だったといえるのか。

それがテーマで、政治、経済、社会現象、スポーツ
や若者文化などを切り口に、今と比較しつつ考えて
いる。

政治でいえば、タナボタで手に入れた戦犯官僚、岸
信介が首相となり、戦前回帰の軍事大国を目指す。
このため国民の自由を制約する警察官職務執行法の
改正案を上程、これを巡って世論が沸騰、デートの
できなくなる、という危機感が国民の間に高まり、
とうとう廃案になった。このあと岸は日米安保条約
の改定を強行して、今に至るアメリカの世界戦略追従
政策のレールを敷いてしまった。

いま、奇しくも岸の孫、アベが首相になり、岸のDNA
を具体化しようとして、猛反発をうけて、政権投げ出
し、混迷を深めている。政治とカネの問題、政治家や
官僚の腐敗など、いまもぜんぜん浄化されていない。

「昔はよかった症候群」と「先行き不安感」は、いつの
時代にでもある現象なんだが、なぜ、いま、昭和30年
代が好意的に回顧されるのか、そこはあまりはっきりし
ない。

大学生だった当方などは、アタマに重い帽子をかぶって
いるような陰鬱な気分で過ごしていて、懐旧の念は浮か
ばないね。

         布施克彦 ちくま新書

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