冷麺と冷やし中華

夏がくると、冷麺が食べたくなります。
ひんやりした麺とゴマ油系のスープに涼感があって美味しい。食欲がない時分なのに、するすると食べられるのがいい。
冷たくするするなら、素麺でも同じですが、冷麺には豊かな食材の彩りやエキゾチックで複雑な味わいがあります。

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今夏は、いまのところ三軒の冷麺を試しています。最初のは、近辺に数店を構える小規模のラーメン店でした。平皿に近い丼にラーメンと同じ細い麺、トッピングにはハム、錦糸卵、キューリ、トマトなどを盛り上げていました。スープはひどく少なく、濁りがあります。

これでは、食べるときに、スープンのなじんだ麺を掘り起こすようにしなくてはならない。閑人はたっぷりの洋ガラシを混ぜたり、すこし強めの酸味を好みます。ここのは食材も味付けも、家庭で見よう見真似でやってみる簡単冷麺とあまり変わりがなかった。

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二軒目は、全国チェーンの中華店。カウンター席に座り、目の前で中年女性が作る作業を見てました。小麦粉製のあつあつの麺をゆで器から取りだすと、氷水にさらし、金属製の丼に平たく盛りつけます。丼も冷えているのが、いいが、さらに氷のかけらを二つ、ポンと置きました。トッピングはハムの代わりにチャーシューでした。金糸卵、キューリや細切り大根を手早く並べて、別のところから、よく冷えたスープを注ぎました。てっぺんにサクランボを載せて出来上がり。

美味しかった。冷麺の名前通りに冷たい食感がいい。酸っぱさとゴマ油が後を引きます。量販店ならではの手順と食材がマッチして、値段の割にはよかった。

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三軒目は、焼肉専門店の冷麺。これは中華風なのか、韓国風なのか。麺はあきらかに、そば粉系で、見た目も透明感のあるグレーの太い麺。トッピングにスイカのスライスを載せていた。金属製の丼の半分くらいまでスープが注がれていて、ほぼ汁ラーメンに似ています。透明なスープには切りゴマがたくさん浮いています。

麺はやや硬くて重く、弾力があります。スープは冷たく、のど越しのうまみが伝わりました。三軒三様でしたが、一軒目には、もう立ち寄ることはない印象。家庭でも味わえるからです。

これまでの店で二軒目までは、「冷麺」と注文すれば、いわゆる「冷やし中華」が出てきます。聞くところによると、関東では「冷麺」のことを「冷やし中華」と呼び、関西では逆に「冷やし中華」のことを「冷麺」と言っています。

ところが、ややこしいことに、このような食べ物は、朝鮮半島発祥らしいので、韓国・北朝鮮では、「冷麺」といえばそば粉系の冷たい麺で夏冬問わず食するものといいます。つまり、三軒目の焼肉屋の冷麺が、それに近いのでしょう。

なんでもありのこの国では夏食べる汁ラーメンの冷たいやつ、という意味合いの小麦粉系とそば粉系の「冷麺」、「冷やし中華」。それに年中食する「朝鮮半島系の冷麺」が混在していることになります。つけ加えれば、中国系というバリエーションもあります。また、「盛岡冷麺」というブランドが、彼の地にあって、それは朝鮮半島スタイルだそうです。

いずれにせよ、冷麺の命は涼味のある麺とトッピング食材とスープの三位一体、ベスト・マッチングであります。アツイさなかにギンギン冷房が効いた店内でアツアツの豚骨ラーメンをすするよりも、ずっと快感がある食べ物です。

「嫌韓反中」を煽っているバカたちは、こういう出自のものは、食べないのかな、そんなことはないだろうな。

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追記 数日後、「冷たいラーメン」と銘打った一品があると知り、食べて見ました。大阪ミナミを発祥の地とする有名ラーメンチェーン店です。ワカメ、キムチのほか白菜やチャーシュウ、煮玉子など定番のアツアツラーメンの食材がみんな冷えています。丼いっぱいの醤油味スープもきりきりと冷えており、涼感はベスト。美味しかった。これは冷麺とは言えず、まさに「冷たいラーメン」としか言いようがないものでした。


(写真はGoogle画像検索から引用。4枚ともに食した麺のイメージに近いものを引用しています。)

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