真夏の電力は、いま

酷暑に連日、熱狂の高校野球。そのうえ、ことしは喧噪のリオ五輪が真っ最中です。

なにが言いたいかといえば、エアコンはフル稼働、高校野球と五輪のTV観戦が重なって、電力使用量が跳ねあがっているのに違いないということです。

それなのに、今夏は電力会社はどこも節電についてウンともスンとも言わない。この事実の不思議についてです。

例年なら、節電を呼びかけるのが恒例です。節電喚起とともに、このような需要のピークを乗り切るためにも原発は欠かせないとも喧伝していたはずです。フクシマ原発の事故のあと、電力会社のいくつかは、電力供給が追いつかないから計画配電(地域、時間設定で停電)さえあると言っていたのが、ウソみたい。 あの危機切迫の訴えはなんだったのか。

ところが、どうですか。全国58基(もんじゅを含めて)もある原発で、稼働中なのは鹿児島の川内原発の2基だけです。2基しか動いていないのに、電力が間にあっている。計画配電って、あれは脅しだったのかな。やはり、なにかカラクリがあるのでしょう。

カラクリで考えられることは、もともと原発がなくても足りる努力ができていた.。電力需要は、かつての目覚ましい高度経済成長の時代を過ぎてからは、それほど増えてはいないのです。

それでも電力不足をギャーギャー騒いでみせていたのは、原発推進のためではないか。そう勘繰りたくなります。おそらく、そうに違いありません。政府は経済成長のため、安全保障のため、原発はベースロード電源だと主張しています。

電力会社が、いま火力発電所をフル稼働させているはずです。火力発電に伴う長短所は当然ありますが、火力で間にあっていると釈明するとしたら、なお原発が不要となる。この矛盾を隠蔽するために、原発は安定、安価、クリーンを宣伝これつとめていたわけですが、フクシマで露呈してしまい、いまや原発不信は国民に根を張りました。推進派は、政財界と補助金で潤う地元のみとなっています。

石炭や石油の化石燃料をエネルギーにする火力発電はクーリンでない、地球温暖化へ大気汚染を止められない、有限のエネルギー源だと反論がありますが、原発事故に伴う放射能汚染の危険性に比較すれば、問題の危険性では段違いです。

いったん起きた放射能汚染事故にはコントロールの余地がありませんが、火力発電が抱える短所については有効な制御対策があります。

フクシマ原発事故で明らかになったことは、原発は安価でも安全・安定性でも優れている発電方法ではなかったことです。原発建設には、通常、一基数百億円から3000億円ちかくかかります。*1 その維持にも巨額の費用がかかります。

それだけの投資を第一に水、光、風、バイオなどの再生可能自然エネルギーの技術開発に向けるべきです。火力発電は、その補完的な位置づけとし、温暖化防止のために脱硫や二酸化炭素(CO2)の排出量をもっと削減できる技術力の向上に原発建設費を上回る投資をかけるべきです。

原発再稼働へ傾注するエネルギーをもっと国民の暮らしの安全へむけるべきです。政府が、再生可能な自然エネルギーに舵をきらないのは、これらのエネルギーは軍事転用が効かないからではないか。

原発再稼働を譲らないのは、電源の安定確保という建前のうらに核燃料の確保という日米の安全保障上の配慮が透けて見えています。日本国内の原発の核燃料再処理でできた濃縮プルトニウムは、ひとまとめにして米国に送られている事実があります。*2

この措置は日本国内でプルトニウムの核兵器転用を防ぐために米国で「軍事転用不可」に再処理されて、再び送り返される段取りになっているそうですが、本当のことはわかりません。

日米原子力協定に「安全保障」という文言が加えられていらい*3、原発は軍事上のポイントにもなっているからです。この国の電力事情の見えないところで米国の支配下にあることがわかります。

*1 livedoor'news  (http://news.livedoor.com/article/detail/7502394/)
   電力会社に、「原子力発電所の建設費はいくらですか?」と聞いてみた。
   例えば、関西電力 大飯発電所○1号機 184,300,000,000円(1,843億円)
   ○2号機 122,500,000,000円(1,225億円)
   ○3号機 458,200,000,000円(4,582億円)
   ○4号機 253,500,000,000円(2,535億円)

*2 business news  (http://business.newsln.jp/news/201603221200240000.html)
核燃料輸送船、高濃縮プルトニウムを搭載して日本から米国に向けて出港・
日本核武装抑止のための一環 Posted 4 months ago, by Jack Pearson

*3 矢部宏冶・著『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』(集英社刊)


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