ダブルスピーク 

まさしく厳寒の候。コタツに入ってDVDをみたり、新聞や本を拾い読みして、ぼんやり。
昔なら喜寿を超えた年寄りは何をして一日をやりすごしたかな。

そもそも喜寿と称して,ことさらに寿ぐほどだから、長命は珍しかったのだ。喜寿くらいなら履いて捨てるほどいるご時世ともなると、長生きすれば、いいというものでもない。長生きしたため、つまらん世の巡りあわせを見るはめにもなります。

アベ政権は、このところ、打ち出す政策にダブルスピーク(二重語法)が目立ちます。
封建領主の「民を由(依)らしむべし、知らしむべからず」姿勢を学んだようです。歴史を翻ってみても、憂うべき状況であります。

ダブルスピークとは、コトの本質の重大さをワザと矮小化して見せたり、隠したり、ごまかしたり、あいまいにしたり、解釈の余地を多様化したりする語法のことです。秘密保護法という名称が、ダイレクトだったのが、批判の対象になったのに懲りたのか。その後は

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集団的自衛権の解釈変更で成立させた「戦争可能法制」を「安全保障法制」、
カジノ解禁がポイントの法案を「統合型(IR)リゾート法」、
「共謀罪」を「テロ等組織犯罪準備罪」などが、それです。
核心をつく部分をはぐらかしています。さながら悪名高い大本営発表の再来です。

国民の目をそらすダブルスピークの事例を、、、たとえば戦時中、大本営は「全滅」を「玉砕」、「撤退」を「転進」、「自爆作戦」を「バンザイ突撃」あるいは「特別攻撃」、「避難」を「疎開」といった、アレですね。あげくに無条件降伏の「敗戦」なのに、彼我対等であるかのような「終戦」と言い換えてます。

長い侵略戦争の発端になった日中との戦争も、最初は「支那事変」とごまかしていました。「開戦宣言」がなかったから「戦争」ではないと言い張ったのです。いずれも事態の真実を国民に知らせず、ごまかして、結局、国家の道を誤まりました。

こんなことを思い出すには、昨年、南ス―ダンに派遣された自衛隊の活動記録は、破棄したといっていたのに、記録が出てきたからです。防衛省はマスコミには隠蔽していたが、与党である自民議員から追及されて、しぶしぶ陸上自衛隊部隊が昨年7月11、12日に作成した日報を公開した

その日誌には現地で「人が殺傷されたり、モノがこわされた入りした戦闘があった」といくつも記されている。政府は「複数の発砲事案」と採り立てて問題視するような事態でないと答弁していた。

「戦闘」であればPKO派遣5原則の一つ(紛争当事者間の停戦合意が参加の条件)が守られていないことになり、派遣の正当性が崩れます。

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イナダ防衛相は8日の衆院予算委員会で「戦闘行為」の有無について、「殺傷行為はあったが、憲法9条上の問題になる言葉は使うべきではないことから、武力衝突という言葉を使っている」と説明。「戦闘行為」を「武力衝突」と言い換えていることを認めています。

ダブルスピークを認めたことも重大だが、もっと重大なことは、その理由が「戦闘行為」であれば憲法9条上の問題になるから」と言う点です。これはひどい言い逃れです。事態が憲法違反であることを認めたうえで、そうでないと受け取れる表現に言い換えています、という論法です。

こんな国民をバカにした答弁がまかり通るのであれば、戦時下の大本営発表と変わりがない。「靖国神社というのは不戦の誓いをするところではなくて、『祖国に何かあれば後に続きます』と誓うところでないといけないんです」と述べる(*2)気色が悪い極右オバサンが、本末転倒の詭弁を弄するのは、アベ政権の意向と合致しているからです。

アベやイナダは国際貢献という大義のためなら自衛官が窮地に陥っても、死傷してもやむなし、むしろ犠牲者が出た方が、国際社会でPKO派遣の実績作りになるとでも考えているのだろうか。万一、そういう事態は起きたら、きっとダブルスピークで「戦死」を言い換えることでしょう。

南スーダンのような遠隔地で、しかも派遣国の国益の直接影響がないようなところの紛争で、なんで自国民がわざわざ血を流しに行かねばならないのか。欧米諸国は、この引き合わない犠牲から手を引きたがっています。

南スーダンへ軍を派遣しているのは、欧米ではイギリスの工兵部隊だけ。日本を除けば、ネパールやスリランカ、インドやエチオピア、中国、マレーシアなどすべて開発途上国です。

戦争ができる普通の国を目指すアベ政権ですから、自ら買って出て自衛隊を派遣していますが、国際社会からみれば、アベ政権のこの前のめりは好都合で、体よく利用されているように思えます。

アベは、何のために各国にカネをばらまいているのか。「憲法上の規定があるので、武力で支援できませんが、せめて経済支援だけでも」というスタンスが、なぜ取れないのか。

国際社会は日本の不戦憲法を理解しています。黄門さまの印籠のような特別の存在を邪魔扱いしているのは、当のアメリカと追随するアベ政権です。

国民に対しての施策さえダブルスピークで実態をごまかし、安全が脅かされる危険な紛争地域に送り込んで、その代償に得る国際社会の評価が、それほど大切かどうか。

真珠湾でスピーチした「不戦の誓い」を、、、嘘に決まっていますが、、、実践するなら、憲法9条でもって世界に貢献すべき道こそが正しいと思えるのだが、このままではトランプに新たな肩代わりを背負わされるにちがいない。

(写真はGoogle画像検索から引用)

*1 2017年2月7日 朝日新聞電子版 
   http://www.asahi.com/articles/ASK2834BRK28UTFK006.html?iref=comtop_8_07
   「9条上問題になるから『武力衝突』使う」 稲田防衛相

*2 Wikipedia 稲田朋美の項にある。「小泉総理は国家の代表として靖国に行くべし」『WiLL』2006年9月号の座談会で。

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