内面の問題

かわいいベトナム籍の9才少女が、小学校の保護者会会長によって遺体で捨てられていた。
遺棄容疑というが、調べが進むと、より重い殺人容疑がおそらく追加されるだろう。
なんとも、言葉にならない悲惨な殺人事件です。

被害にあった少女と保護者会の会長。
こんな展開を見せた意外性が、一層無残というか、哀れというか、胸が詰まる。

殺人事件の容疑者を捕らえてみれば、警官だった。
放火犯を追い詰めてみれば、消防士だった。
盗撮痴漢を抑えてみれば、校長先生だった。

こんなケースはめったにないどころか、よく起きる。そのたびに、あってはならないことと関係者は平身低頭します。よく調べて、二度と繰り返さないと誓いますが、残念ながら、誓って根絶できるものでない。

ふだんから、この会長はどんな性格をして、どんな言動をしていたのか。それなりに知っていた周りの人でさえ、会長がこんな事件を起こすとは、ついぞわからない。「まさか、まさか」と驚き、「無念だ」と戦慄するばかりです。

俗に「人は見かけによらぬもの」といいますが、見かけどころか、人の心の中のことは、うかがい知れない。他人からみれば、闇でもあり、空でもある。

悪事をたくらむ内面もあるし、立派な思想や芸術を生み出す内面もあります。みんなと約束を守り、協調、協力を惜しまない知性と感性もあります。

それこそ複雑多岐にわたる内面のことですから、古今東西、心のありようは、よくわからないというのが、人間社会の正直な価値観。

よくわからないものを、権力が無理やり力づくで分かろうとすると、個人の人権が脅かされるし、思想信条や信仰心については自由が奪われます。

アベ政権がたくらむ「共謀罪」が秘める恐ろしさというのは、このよくわからぬ人の内面に立ち入り、その動向を監視しようという狙いがあります。

権力がなにがなんでも分かろうとすると、その手段には盗聴、通信検閲、尾行監視、密告奨励、そして人権無視の暴力的取り調べといったおぞましい反社会的行為を積み上げなければならない。

保護者会会長なら殺人事件を起こすだろうと予見した人はおるまい。非常に残念なことながら、保護者会会長のような立場の者が稀有な悪事に走るとは予見できないのが、人間社会のリアルです。だとすれば、権力が悪事を働きそうなヤツと予断をもって、隠密捜査を行うのは危険きわまりない。

人はお上が恣意的につけた”いちゃもん”によって、簡単に予防検束されかねない。まだ何も起きていない(起こしていない)ことに対して、起こすだろうと決めつけて刑罰を問うというのは、ムチャクチャな話です。

「共謀罪」が求められている「国際組織犯罪防止条約」とは、そもそもマフィアによる人身売買禁止と麻薬取締りが目的であって、アベが言うところの「テロ等準備罪」ではないのです。この条約を締結するなら、現行法体系でやれるのです。

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