デストロイヤー

力道山が活躍していたころ、アメリカ人プロレスラーにザ・デストロイア―(破壊者)という悪役ヒーローがいたのを覚えているプロレス・フアンは少なからずいるでしょう。覆面の大男で決め技は、脚4の字固めでした。

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こんなことを思い出したのは、海自の護衛艦「いずも」が脚光をあびているからです。連休中の目下、アメリカ海軍の補給艦を防護するとして房総沖の太平洋上で合流、四国沖まで艦隊を組んで航行中です。

防衛省は護衛艦を称していますが、世界の軍事用語では、[デストロイア―](駆逐艦)であります。内実は「ヘリコプター搭載空母」です。「空母」というのは、戦闘における”動く前線基地”が使命。つまり、任務は攻撃型の戦艦であって、専守防衛が基本姿勢の自衛隊にあっては日の目を見てはならない装備なのです。

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いまさら言上げするのも、バカバカしいけれど、憲法9条違反の装備です。自衛隊が護衛艦(デストロイヤー・エスコート)などと名乗っているのは、日の目をはばかるからであって、「いずも」は全長およそ240mもある飛行甲板を擁していて、オスプレイも搭載可能な中型空母です。空からみれば、どういう機能の軍艦か一目瞭然です。


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大日本帝国海軍が最初に保持し、真珠湾攻撃にも参加させた空母「蒼龍」(その後、ミッドウエー海戦で沈没 写真上)とほぼ同規模のものです。空母は単独では効果的な活動は望めず、かならずには大小の補給艦やら駆逐艦やらなど機動船隊を組みます。、北上してきた米空母「カール・ビンソン」の空撮をみても左右、後尾に数隻の戦艦を従えており、例外ではありません。

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さて、世界最強の軍隊である米軍。空母から離れて単独航行する弾薬補給艦を、なんのトラブルも起きてない、起こりそうにない太平洋上で、一体、なにを防護するのか。北朝鮮からミサイルが飛んでくる恐れはぜんぜんありません。

なんにも護衛する必要性がありません。必要性があるとするのは、アベ政権がもくろむ米軍との集団的自衛権の行使という姿を「見える形」でパフォーマンスすること、併せて日米安保の軍事的運用をなし崩しに日常化するための一歩であることでしょう。

森友問題で窮地に陥っていたアベは、北朝鮮がミサイルを発射したり、核実験を行いそうな形勢がおきたとき、「ツキが回ってきた」と官邸で叫んだと伝えられています(*1)。審議中の悪法、共謀罪法案や、わが身にブーメランしている森友問題から国民の目をそらさす絶好の機会だと踏んだのでしょう。

北朝鮮がいかに悪辣かを言い募り、わが国民を守るために全力を挙げると、いつものように国民の不安を煽るようなことを口にしているが、一方で、ご本人はアキエとともに花見の宴にでてはしゃいだり、アキエを連れてタイミング的にはなんの意味もない露英に外遊に出かけています。また、連休中に閣僚の大半が海外に出かけています。

アベが言うように、ほんとうに重大で緊急切迫した事態であれば、だいたいアベ自身は国を留守にしていいはずがない。国民には北朝鮮のミサイル発射(失敗)でさえ地下鉄や幹線の鉄道を10分も停止させるような危機回避策を指示しています。

前回のブログで取り上げたような、ミサイルがとんで来たら「地面に伏せろ」という、あのアホらしい避難訓練と同じです。鉄道を止めてなんの意味があるのか。止めるのなら、原発稼働や閣僚の海外旅行ではないのか。まったく笑いごとではありません。

アベは、露骨に戦争できるどころか、進んで戦争する国こそ、この国の進むべき道と考えています。祖父でA級戦犯だった岸信介が、釈放の見返りにCIAから資金援助を得、工作員だったことが複数の証言で明らかになっています(*2)。

もしかしてアベもまた、そうではないのか。そうと思えるほどに、アメリカの国益に従順、かつ忠実です。いまやアベこそが、日本国民と護憲のデストロイヤーですね。

(写真はすべてGoogle画像検索から引用)

*1 週刊現代 (5月6・13日号)
   
   http://www.asyura2.com/17/senkyo224/msg/609.html
  [北朝鮮情勢の緊迫で「ツキがまわってきた」と叫んだ安倍首相  天木直人

*2 『CIA秘録』(ティム・ワイナー著 文春文庫) 藤田博司・山田侑平・佐藤信行訳

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