支持率36% まだかもうか

委員会審議をすっ飛ばして、採決強行した狂暴性を持つ「共謀罪」は、来月11日から施行されます。

怖いですね、怖いですね、おそろしいですね。何しろ、人の心の中をづかづかと踏み込んできますからねー。
あの映画評論家、淀川長治さんの口調にならえば、ほんと唇寒しの恐ろしい時代の到来を予感させられます。

この法案成立を見越して、早くから捜査機関は、事案の初摘発を挙げるべく、奔走していることでしょう。捜査当局が立法化を意義づける常套手段です。「それみたことか」、「だからいわんこっちゃない」とドヤ顔をしてみせたいわけです。

だいたい、新しい”武器”が手に入ると、使ってみたくなるものです。ましてやアベ政権が言うところの喫緊の課題だけに、ぜひとも該当事案を早々に摘発し、正当性を満天下に裏付けたいと躍起になっているのではと想像します。冤罪ものともせずであってはならないのですが、起こりうる可能性が広がりました。

なにしろ戦前と異なり、個人情報を監視するIT技術は日進月歩です。個人の立ち回り先を監視するGPS、何を買い、何を読み、どこで友人と会い、どんな話をしたか、盗聴盗撮は自由自在。あらゆる個人情報の収集とデータ化が可能です。ロシアに亡命中の元CIA職員、スノーデンが赤裸々に語っています。(*1)

とりわけ恐ろしいのは、密告の奨励が法律に含意されていることです。仲間を売れば、罪の減軽が考慮されるのです。現在でも捜査機関は必要に応じて密告者を工作し、協力費などの報酬を払っています。あらゆる組織や団体、地域に工作員とはいえないまでも積極的な協力者を抱えているのが、捜査の現実です。

平凡な一日を暮している庶民にとって、なんの関係もない法律だから、テロ摘発のためならやむえないんじゃない、などとのんきなことをTVで話している中年男性がいましたが、捜査当局は、一見物静かな生活者がからこそ怪しいと勘繰るのが仕事です。すべての国民の暮らしを掌握したいのです。

アベは「決して一般人が監視や捜査対象にならない」と繰り返していますが、こんな子供騙しみたいな説明が通るわけがありません。捜査してみないと、一般人かそうでないか、わからない。リンゴでさえ酸っぱいか、そうでないか、見分けるのは簡単ではないのですから、ましてや人間のメンタル部分なんか、常時監視しなければわかるはずがない。

国民を”三猿”状態に追い込む特定秘密保護法、戦争ができる安保関連法制、そして今回の共謀罪。アベ政権の戦前回帰施策は行きつくところまで行き着きました。あとは、とくに国家主義にもとづく国民一般の民生監視を徹底し、完璧な上意下達、つまり、有無を言わさず「右向け右!」体制を強化することでしょう。

本当に恐ろしいのは、そんな権力や時局の要請にこたえるということを口実に有象無象の阿諛追従者、つまり、おべっかする者が国民の中からかならず現れてくることです。率先して権力の提灯持ち、旗振りを買ってでる輩たちです。残念ながら、戦前の歴史は、そういう庶民でいながら、庶民を”売る”者がたくさんいました。

戦前の隣組制度は「トントンとんとからりと隣組」と、あたかも友愛の相互扶助を唱えながら、その背後で密告、監視の仕組みとされてました。町内会のおっさんが忠君愛国や国防について説教したり、婦人会のおばさんが、服装、化粧や生活の心得まで目を光らして、嬉々として権力に奉仕したのです。

権力の暴走は恐ろしいことはいうまでもないことですが、その暴走権力の尻にくっついて、トラの威をほのめかす輩、こういう連中がはびこるのも恐ろしい。今回の共謀罪は、戦前の治安維持法と並び称せられているように、一般人にとっても、暗い陰鬱な時代の再来を予見される内容です。

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ところで、なりふり構わぬアベ強権政治について、国会閉会後に行われた各社の支持率世論調査では、
朝日 支持率 41%    不支持率 37%  (*2)
毎日 支持率 36%    不支持率 44%
読売 支持率 49%    不支持率 41%
共同 支持率 44.9%  不支持率 不明

いずれも支持率が前回調査よりも軒並みダウン、不支持率が上回りました。「アベ御用達」とお墨付きをもらった読売もダウン、その同系統の日本テレビNNN調査でも支持率39.8%とありますから、一定数の国民は、アベ政権のやり方に納得していない結果となりました。

しかしながら、鳴り物入りだったアベノミクスは、5年たっても成果を挙げずにお蔵入りしたまま、高齢者の年金はじめ社会保障関連はじりじりカットされ、サラリーマンの給与所得は4年連続減少しているにもかかわらず、まだまだ多くのアベ政権支持者がいることが釈然としません。「政権を担う代わりがいない」という現状への代償とすれば、野党は見下されています。

たった70数年まえ、国民を阿鼻叫喚、地獄に追い込んだ戦前の体制へ回帰しようという動向に、これほど国民は鈍感であっていいのか。歴史の記憶というのは、これほど流されやすいものかと思いますね。

(イラストはGoogle画像検索引用)

*1 映画「シチズンフォー スノーデンの暴露」
   第87回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞受賞

*2 2917年6月19日 毎日新聞電子版
  内閣支持10ポイント減36% 不支持44%と逆転
  https://mainichi.jp/articles/20170619/ddm/001/010/164000c

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