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争点隠し

名護市長選で勝った辺野古推進派に30億円の米軍再編交付金を支給すると政府が言っています。17.18両年度分という大盤振る舞いです。(*1)

アベ政権にすれば、選挙といい、民意といい、札束でひっぱたけば、何とかなる自信を深めたことでしょう。ほんとうの争点なんか一切合切、なんにも触れずにおいても、ゼニをぶら下げたら、勝てるという実績に満足しているでしょう。またまた悪しき経験を積ませてしまいました。

わずか有権者4万人強しかいない地方都市の選挙に、スガやニカイやシンジロウが複数回、応援に駆けつけ、辺野古の「へ」の字も語らず、もっぱら”地域振興と経済活性化”を喧伝して回った。まさに、あけすけな争点隠しのためでした。

名護市は、市域が東シナ海と太平洋に面する広い街ですが、晩飯を食べに出かけても、商店は閑散をして活気がありません。永年、タイガースの春季キャンプを見にいって、名護市内のホテルに何度も泊まりましたから、よく知っています。

しかし、それは全国どこの田舎の都市も疲弊しているのと同じ光景で、名護市だけの衰退ぶりではありません。アベノミクスが地方にまでまったく波及していない証拠でもあります。

住民を貧しく、元気のない状態に追い込んでおいて、巨額のゼニを見せびらかせば、民意はなびく。政府は辺野古推進のために、兵糧攻めをしたようなもんです。どこの国でも兵隊の成り手は、固定化された貧しい階層からわいてくる、というのと同類の手法です。

じっさい、辺野古反対派の市長の過去8年間にこの交付金は総額130億円にも達していましたが、政府は凍結していました。ゴリ押しが大好きなアベ政権も、反対派にはゴリ押しせず、受け取らない言質を盾にしていました。

権力が民意を操るいちばんの妙薬は、他者への敵愾心を煽り、自国(己)優先主義をたきつけ、そのうえでゼニや役得で利益誘導することです。名護市の有権者の過半数が、やっぱり生活が大事や、と判断したことは責められませんが、隠された争点は単に名護市の問題ではなく、この国の根幹にかかわる全体の問題でありますから、残念な結果でした。

アベ政権は、名護市の選挙戦でやったようなやり方で、この国を”国際平和協調のため”参戦するのは当たり前、お国のために奉公するのは、当然の義務であり、誇りです、というような世論つくりを加速させることでしょう。

アベ政権は過去5回の国政選挙でも、正面から改憲の公約の柱に立てたことがありません。ずっとアベノミクスやご都合主義のスローガンを次々と目くらましのように打ち出し、勝てば、信任をえたとばかり改憲を前面に出しています。つまり名護市長選の争点隠しはアベ政権の常套手段なのです。

そして、いまや9条に自衛隊明記と方向性を明確にし、その是非が改憲論議の要であるかのように世論を誘導しています。改憲反対派は、この設定された土俵に上がらないことが肝要です。

なぜなら、自衛隊がある程度、国民の支持をあつめている現状というのは、災害出動への地道な献身なのであります。けっして戦争能力や軍事力への支持ではないのですが、アベ政権は、ことさらに自衛隊の救助救出活動の一面を強調しています。

アベは施政方針にあっても「憲法明記を拒みながら、困っているときだけ助けてくれというはおかしいじゃないか」という趣旨の議論を持ちかけています。

ならば、国民の生命財産を守る警察も消防も憲法に明記する必要があるじゃーあーりませんか。消防力や警察力には、戦闘能力や戦闘装備が備わっていないから、その必要がないのなら、アベが隠していることは明白です。

アベのいう「困っているとき」とは、戦争したら、という事態を指しているのです。戦争に参入することを前提にしながら、その文脈を隠しているのです。騙されてはいけません。平和憲法を持つ国の為政者がやることは、徹頭徹尾、外交努力で戦争を起こさせないこと、これに尽きます。




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(*2)


*1 http://www.yomiuri.co.jp/politics/20180205-OYT1T50037.html
     2018年02月05日 読売電子版
    名護市への「再編交付金」、政府が再開を検討

*2 Google画像検索から引用


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