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初めての顔合わせ

"老いぼれ"と”ちびのロケットマン”による初めてのご対面劇 in シンガポール。
鳴り物入りの前評判に比べると、中身はいまいち。
肉なしのサンドイッチ、あるいは、薄味のアメリカンコーヒーといった印象。

でも、幕間の感想とすれば、(まあ皮肉をこめて)、よかった、よかった、としましょう。なぜなら、ご両人が会って、握手を繰り返している限りは、小競り合いも衝突も当面、回避できるからです。政治ショーであれ、なんであれ、お芝居を演じている間は、戦争にはならない。ご両人の効用は、それがいちばん。

ご両人は、これから先、ずっとなんにもしなくていいから、機嫌よく握手をして、ハーゲンダッツのアイスクリームをなめ続けてほしいものです。そうすることで、世界に波風が立たなくて済みます。

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もともと、どっちも信頼できない、嫌われものの指導者同士。お互いアタマに血が上って、チャンバラごっこに走れば、北東アジアどころか、地球に破滅的な悲劇を招くきます。こんな悪役同士のメンツの張り合いに巻き込まれると大変なことになります。

あの合意文書についても、あいまいな約束事を書き連ねただけで、具体性に乏しい。北が約束したとされる「朝鮮半島の非核化への道」についても、こんなことが可能かどうか。いちばん肝心な検証可能な方法や期限については触れていません。ザル約束です。

金委員長は先刻承知のはず。あのリビアのカダフィ大佐、イラクのフセイン大統領。ともにアメリカの圧力に屈して、核開発から手を引いたあと、抹殺されてしまった。金委員長は、しっかりこうした故事を踏まえているにちがいありません。

ですから、なにをなんと言われようとも、乏しい国富を出し切って、核抑止力を昨年末に達成させた。その余裕でもって、韓国とアメリカの誘いにのってきてます。今度の狙いは「核抑止力による相互平和」の見返りに体制保証と経済支援を引き出すことでしょう。

合意文書には「北朝鮮の非核化」とは言っていません。「朝鮮半島の非核化」です。このことは、北ばかりでなく、在韓米軍をも縛ります。3、2000人も駐留する在韓米軍が核兵器を所有しているのは間違いないでしょう。少なくとも戦術核(普通、射程500キロメートル未満の核兵器)は保有して、北とその背後にいる露中に対峙しているはずです。

非核三原則を国是とした日本。その国内でさえ米軍は核を持っていたのですから、韓国でも当然持っていると推測されます。朝鮮半島の非核化というなら、北は当然、米軍にも約束の履行を迫ることになるわけです。

非核化について「段階別、同時行動の原則」という文言が文書にあります。こっちもカードを切るから、そっちも同じカードを切れという意味だと解されます。そんなことをアメリカは受け入れられるだろうか。

当初、指摘されたCVID(完全かつ検証可能で、不可逆的な非核化)について合意文書に記載がないのは、この点だけを見ても、分かります。厳重に条件を付ければつけるほど、アメリカ側も首を絞めるので、記載がむずかしくなるのは当然と思えます。

日本人の拉致問題については、トランプは金委員長に伝えておいたと言う感じ。アベがうるさく言ってくるので、ガキの使いを買ってやった。あとは当事者同士で話し合え。そういった語り口でした。

トランプは人権問題なんか、なんの関心もないのです。就任いらい黒人射殺事件へのコメントやらメキシコ国境の塀づくりとか、海外移民の受け入れ制限など、彼のやったことを見ればわかります。

ただ、アベが手柄顔でトランプに頼んだと、なんどもしゃべったことは、結果的に「拉致問題は最重要課題」と言ってきたにもかかわらず、アベが、なんにもしていないことが、はしなくもバレたことを意味した話でした。

アベにとっては拉致問題というのは、北の脅威について国民感情をあおる政治利用にすぎない。昨年の総選挙まえの「国難」と同然です。すでにそういう指摘は被害者家族からも公然と批判されています。

在任5年、内閣の最重要課題だと口走りながら、北とまともに話ができる窓口一つ作っていないのです。こういう口先ばかりで、しかも平気でウソを重ねる、頼りない指導者を金委員長どころか、トランプも見透かしていると思われます。

朝鮮半島に冷戦構造の遺物、分断国家がある遠因に大日本帝国の誤った国策があったことを認めようとしないアベでは、拉致問題の進展はのぞめない。トランプが右(首脳会談開催)だといえば右を支持し、一転、左(中止)だといえば左を支持、二転、やっぱり上(開催)といえば、上だと右往左往のアベを世界は冷笑しています。

(表はGOOGLE画像検索から引用)

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