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後味悪い後始末

災害は忘れたころ,、どころか、忘れぬうちにやってきます。人災は忘れられたころに後始末が明るみになります。その後始末も、遅すぎる、軽すぎるとあって、勝手気ままな公権力の行使のため苦しんだり、痛みを覚えたり、悔しい思いをした人たちにとって、まことに理不尽な話です。

野村修也弁護士。よくテレビでコメンテイターとして、知ったかぶりをしゃべっていますので、知る人ぞ知るですが、数年前、大阪市職員、または、そうであった人たち、労働者の権利を守ることに関わっていた人たちにとっては、唾棄すべき不適切なアンケ調査を引き受けた責任弁護士です。

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{2012年2月、思想調査アンケートを受け渡しする橋下徹市長と野村修也弁護士(当時・大阪府市統合特別顧問)}

この野村弁護士に対して、二弁(第二東京弁護士会)は業務停止一か月の懲戒処分をしました。(*1)野村弁護士は2012年ころ、当時の大阪市長、ハシモトの要請に基づき市特別顧問を務め、あろうことか、ハシモトの意向に沿って全市職員3万人を対象に組合活動や選挙運動への関与を尋ねるアンケート思想調査を実施しました。

アンケ項目には明らかに職員の団結権、プライバシー権、政治活動の自由の侵害など、憲法や労働組合法に違反する内容が記載されていた。市職員の猛反発に対しハシモトは、わざわざ、これは任意ではなく「回答しない場合は処分対象になり得る」と職務命令を出して強制しました。

この調査について野村弁護士に多くの懲戒請求が寄せられていましたが、ようやく二弁は質問項目や実施方法を考慮すると、憲法の保障する団結権(28条)やプライバシー権(13条)、基本的人権を侵害する内容だったと認定、、弁護士の「品位を失うべき非行」にあたると結論づけた。

一方、このアンケ調査では中労委が不当労働行為とみなしたし、組合側が提訴した損害賠償訴訟は、すでに大阪高裁(2015年)で違憲性があると判決、市側は上告せず、いずれもハシモトが敗れています。今回の野村弁護士の懲戒処分で、やっと両弁護士のやったことの後始末が一応の決着を見たわけです。

あのころ、ハシモトは公務員いじめがポピュリズムに合うと計算したのか、職員の入れ墨調査をやったり、職場での喫煙者を懲戒処分したり、人格・プライバシ―攻撃を盛んに行い、またそれに快哉を叫び、付和雷同する支持者が大勢いました。いわゆる維新信者たちです。あのいじめを受けた人のなかには、職場で処分を受けたり、退職した人もいた記憶があります。

アンケ調査については、ちょっと冷静に考えれば、明らかにやりすぎ、不適切だと思えるものでした。こんな思想の自由を侵す違憲性が強いアンケを、弁護士でもあるハシモトが依頼し、さらに野村弁護士は依頼人の利益のためならビジネスと割り切って違法な質問項目の作成などを請け負うのか。なんでもありの弁護士稼業との印象を受けたものです。

 なお、報道によると、野村弁護士は、日本弁護士連合会に不服申し立てを行う意向を示しているそうです。この顕示欲の強そうな特例弁護士は、世間では処分は軽すぎるとみているという空気も読めないらしい。もう一方の旗振り役で、弁護士稼業に戻った男は、この件について「コメントはない」とのこと。

いっときの熱狂の果てのクレイジーな権力行使が、いかにむなしいことか。ぜんぜんやる必要性がなかった。いまにして、そう思うことが多い世の中です。


(写真はGOOGLE画像検索から引用)


*1 2018年7月18日 読売新聞電子版
   https://www.yomiuri.co.jp/national/20180718-OYT1T50011.html?from=ytop_main7
    元大阪市特別顧問、野村修也弁護士を業務停止

 



 

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