[クイーン」を観る

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昨年のアカデミー主演女優賞を取ったのが、この映画でクイーン・エリザベス二世役を演じたヘレン・ミレン。写真でお分かりのように、ソックリさんの装いだ。ダイアナ元妃の不慮の事故死に苦悩する女王を宥め、励ますのが、本質的には王制なんか認めないはずの労働党党首で首相のブレアというのも、おかしいが、このブレヤ役もソックリさんが演じている。周りの女王のご亭主はじめ衆知の人物も、みんなそうだ。

いつも想うことだが、英国王室についてのフリーな表現、批判である。これほどのソックリさんを演じさせ、まだ湯気が出ているような近々の王室の不祥事をエンタメの物語に仕立てあげることができる風土というのは、やはり凄い。言論の自由とか民主主義の定着ぶりと考えるのには、買いかぶりかもしれないが、社会がいろんな異質のものを幾層にも抱え込んでいて、多様な表現の許容できる度量が広いというべきか。

最初、ダイアナの訃報に冷たい女王に対して、何もせずに国民の税金で暮らしている結構な身分とか、急遽の世論調査で国民の四人の一人が
王制の廃止を望んでいる、といった新聞報道が画面に織り込まれていく。ヘリからしか眺望できない広大は森に王子らと身を隠し、大鹿を撃つというご亭主との日常的な会話、「ダイアナって奴は面倒ばかし起こす」。

ダイアナに冷淡な態度を取ったためテレビや紙面で四面楚歌にさらされた女王が、それを口にして、心を痛めるシーンなどは、とてもわが国では映画化できないのではないか。そういうことをあからさまに言うことに抵抗勢力が多いだろうと思った。彼我の言論の自由についての抑制の違いがよく分かる。また映画としても、実写のニュース画面と王室、政府関係者のソックリ劇で非常によくできていた。

WOWWOW放映版

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