「エディット・ピアフ 愛の賛歌」を観る


edi



「バラ色の人生」、「バタン・バタン」、「愛の賛歌」などの歌を知らない人はいない。私の若いころはシャンソンが歌の世界で大きな位置を占めていて、ふだんもよく聞いた。シャンソン歌手を名乗る歌手が日本にも多く居た。いまはアメリカンポップスが全盛。そういえば、フランス映画も元気がないな。

この映画は、シャンソンの世界で一世を風靡したピアフの苦闘の伝記。どういうわけか一代の成功者というのは、豊かな恵まれた家庭の坊ちゃん、嬢ちゃんからは育つことは稀。

ピアフもどん底の貧窮の育ち。路上で歌い投げ銭をもらう母、一時は娼婦宅に預けられ、その後引き取った父は大道芸人。食うや食わずの境遇ながら、歌がうまく母とおなじように、しがない町の歌うたい。

ところが、これも成功者譚によくある話だが、巴里きっての劇場のオーナーが偶然、耳にしてピアフの歌唱力に驚嘆、メジャーデビューの道を開いてくれる。とんとん拍子にスター街道。アメリカ巡業も大成功、世界の歌手に。

妻子持ちの世界的ボクサーとの恋。滞在中のアメリカで、ボクサーの帰国を待ちわびて夢かうつつ、忘我の境地。ああ、戻ってきた。飛び上がる歓喜。彼に贈る時計を探して見つからず、いらだって付き人に八つ当たりしているところにマネジャーの声。「(彼の乗った)飛行機が墜落した」。

悲しみで狂乱のピアフ、廊下をふらついて歩く。カメラは哀しむピアフを前から背後から写し、ピアフの歩くままを追う。廊下の先が舞台に変わり、大きなカーテンが開くと満員の聴衆。湧き上がるような「愛の賛歌」の絶唱。いかにも映画的な手法で盛り上げる場面は感動的だった。

薬物中毒で横たわるピアフ。フラッシュバックで半生の思い出と今がめまぐるしく織り込まれて、ややこしいが、深い映像で興味深い。

ピアフを演じたのは、フランスのマリオン・マティヤール。昨年、この映画でアカデミー賞主演女優賞。監督、オリヴィア・ダアン   ビデオ版

(それにしても一昨年のアカデミー主演男優賞は、「レイ」で盲目の歌手、レイ・チャールズを演じたジェイミー・フォックスだった。映画の題材が、こうゆう伝記を好んで取り上げるのは、いいことか、どうか。オリジナルないい本がないということなのかな。もう一つ、ピアフとは「すずめ」のこと、こちらにも、「ひばり」という歌姫がいた。歌い手の名前は東西似たようなネーミングになるものだ。日本人の感性なら、囀るすずめに歌い手を連想しないのでないかなと思ったり)

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