営業右翼

いま沸騰した話題の渦中にある神がかり的狂信教育の学校法人「森友学園」というのは、”営業右翼”の典型です。

つまり、右翼、それも過激な極右姿勢を売り物に教育ビジネスをやっている手合いのようです。右翼連中が大好きなのは「ナショナリズム」と「愛国心」と「皇室」。これを前面に打ち出し、園児たちに教育勅語を暗唱させたり、「アベ首相頑張れ」と唱和させるなど”かわゆく”パフォーマンスさせれば、時流を先取りしたビジネスになると踏んでやっているのでしょう。

「瑞穂の國記念小學院」。わざわざ旧字体の漢字を使う新設予定の学校名をみても、胡散臭いけれど、右翼連中なら随喜の涙を流しそうなネーミングではないか。生徒募集ポスターには靖国神社らしき鳥居と教育勅語、、、。「全国唯一の神道系小学校ビジネス」は採算が合うと読んだのに違いありません。

籠池某という理事長は、本名のほかに通名を二つも持ち、学歴・職歴を詐称したり、いかにも食わせもの風の人物。妻の父が経営する幼稚園を引き継ぎ、しかも妻が病気か事故をきっかけに入信したとされる「生長の家」にかぶれたころから、影響を受けたのか、右翼思想の幼稚園教育に手を染めたらしい。

それまで理事長個人には思想的な活動は全然見られなかったと伝えられています。「生長の家」は、大東亜戦争肯定と天皇国体護持を主張していた宗教団体。

彼がこんな小学校を開校しようと目論む背景には、アベ政権のような排外的な国家主義を目指す権力になびく連中が増えてきていることを意味しています。極右団体「日本会議」は、「生長の家」が母体。再び神道の国家神道化を図る神社本庁と結んで運動体を作り、その目標は戦前の天皇中心の”神の国”回帰にあります。

籠池某は、この団体の大阪地区幹部(当の日本会議は最近、彼は6年前に退会したと発表していますが)。アベはその日本会議国会議員懇談会の特別顧問です。

正体は営業右翼に過ぎない森友学園理事長。こんな男を増長させたのは、日本会議に群れる、いわゆる保守政治家、論客やコメンテターたちが、こぞって愛国教育の幼稚園を称賛してきたからです。なかでもアベの妻、アキエはわかっているだけでも三度も訪問し、講演し、涙を流して名誉校長を受諾し、(問題発覚後は辞任)、しっかり広告塔の役割を果たしています。(*1)

akie.jpg


公開された動画によると、講演で「せっかく芯のあるいい教育をしても公立小に進むと、ゆらいでしまう」という趣旨のことを述べ、公然と公立学校を批判しています。この国の首相夫人は、公立の教育を平然と非難しているわけで、恐れ入った演説ですが、こういう空気を政治家や官僚たちが忖度したのが今回の国有地払下げ問題と考えられます。

PTAの保護者の母親の一人は、園が発行する「おかあさん新聞」で、それを見て「すごい幼稚園だな」と感激したそうな。こんなカルト教育する園に通わす母親も母親だが、この母親並みに感激して、小学校設立パンフでヨイショをしているような極右連中の罪も深い。

森友学園の教育を「私の考えと近い」、「素晴らしい教育」と絶賛していたアベはじめ、講演に訪れ、臆面もなくほめたたえた連中のなかには、中山成彬、櫻井よし子、渡部昇一、中西輝政、百田尚樹、青山繁晴、竹田恒泰、、曽野綾子、そして田母神俊雄……。
ぞろぞろと極右の面々が並びます。

彼らは払下げ問題が明るみに出ると、手のひら返すようなコメントを述べています。極右論客で、アベのブレーンともいわれる京大名誉教授、中西寛政は、「学園の思想性がない。教育勅語の唱和はだれかに見せるためのショウ―みたい」。

同じ仲間の麗澤大教授、八木秀次も「学園はなんちゃって保守だ。ひとくくりにされたくない」。竹田恒泰は「動画で公開された運動会の宣誓はやりすぎ」、桜井よしこは「この問題で明らかにすべきは政治家のあっせんの有無だ」と一転冷ややかなコメントを述べています。(*2)

彼らは右翼雑誌「正論」、「will」、「月刊hanada」などの常連筆者。これらの雑誌は毎号、日本人の民族優越性を称賛し、中韓を中傷誹謗、大東亜戦争を聖戦と位置づけ、改憲し、皇室を尊崇する国家主義こそこの国の明るい前途があるなどと繰り返し掲載しています。こんな風潮を森本学園は商機をとらえ、トンデモ小学校を開設する気になったと考えられます。

要するに、カネはなくとも、アベ政権へ向けて右翼教育を売り物にすれば、覚えめでたく、国有地の激安払下げや補助金をいっぱい引き出せる錬金術が可能だと証明したスキャンダル。

右翼セールストークに乗せた籠池某がうまいのか、乗せられたアベら右翼連中がバカなのか。アベ政権の幕引きのきっかけになれば、森友学園にとっては想定外の展開になることでしょう。

(写真はGoogle画像検索から引用)

*1  Youtubeにアキエが学園訪問の際の動画がたくさんあります。
    https://www.youtube.com/watch?v=wzTCSk0yGdk
     https://www.youtube.com/watch?v=qjnfU-gYNk4
     https://www.youtube.com/watch?v=lQSR1Kpvlbk
*2  2017年3月17日 毎日新聞朝刊

また入院

おごれるものは、久しからず。ただ春の夜の夢のごとし、とか。

あのアベ・シンゾウとアキエ。国有地破格払下げ問題に端を発して馬脚を大きくあらわし、その権勢が著しく衰退、取り巻きの”営業右翼”(*1)の連中ともどもに選挙区である長門国下関の壇ノ浦に沈む形勢が濃厚になってきました。盛者必衰の理がリアルになりつつあり,喜ばしい。

なんちゃって成り行きを期待しながら、病院のベッドでうんうん苦痛に呻吟していました。過日の午後、猛烈な下痢と嘔吐を繰り返し、ダウン。あいにく週末だったので、2日間は自宅で死んだも同然、ひっくりかえっていました。明けて月曜、最寄りの病院に行くと、腹部膨満、腹痛を伴う腸閉塞と診断、即入院とあいなりました。

まずは、最初の1週間、絶飲絶食、栄養補給は点滴のかたわら、鼻から2メートル20センチ(最終的に、さらに20センチ延長)のイレウス管を腸内に留置、チューブを伝って、ベッド脇の袋のどんどん腸内異物が溜まってゆきます。

もちろん、その間にも採血、レントゲン検査、CT, 内視鏡検査が続きます。レントゲンはほぼ毎日あった。点滴とイレウス菅でつながれていますから、動くに動けません。

つくづく老体になってきた感懐に落ち込みます。この数年間の四度も入退院を重ねています。少しずつ小規模の崩壊を繰り返しつつ、どーんと破局を迎える崖の土砂崩れをわが身に重ねます。こっちの感懐は、諸行無常の響きあり、という感じ。

点滴を引きずって、歩けるようになって、4人部屋が続く病棟内を歩いても、どの部屋もご老体ばかり。女性が多い。目立つのは、骨折患者たち。腕を吊り、よちよち歩き、足を引きずり、杖をつく。おそらく骨粗しょう症なのではないかな。

15日間、相部屋(4人)になった人たちは、入れ替わり含めて、延べ7人。閑人とおなじ消化器内科系が5人、整形外科系が2人だった。男性が年を取り、体に疾病を抱えると、どういうことになるか。

献身的な看護師や理学療法士に、いつも感謝の言葉を口にして、指示をしっかり守り、おとなしく療養に努めている良識ある人物は2人いました。患者の鑑です。ムダにトシをとっていません。

しかし、医師指定の痛み止めではなくて、坐薬を出せ、オレを朝まで寝させないのかと野太い声で看護師をしかりつけるおっちゃん。夜中に尿瓶を床に落として、ベッド回りを尿の海にしたおじさん、一晩中、菓子袋やレジ袋をカサカサ、ぐちゃぐちゃ、引き出しを音を立てて開け閉めするおっさん。見舞いの家族と口喧嘩が絶えない爺さん。いやはや”百鬼夜行”です。

おおむね、高齢者というのは、人の迷惑なんかどこ吹く風といった”無分別人間”に変身してゆくものらしい。やはり、いちばんの理由は、心身の劣化現象ではないか。

とくに長命というのは、本人の意思が及ばぬ現象だから、成り行きに任せていたら、精神のタガが緩んでいくようです。自戒を込めて、そう思いましたね。


*1 もともとしっかりした思想信条にもとづく右翼、極右ではなく、権力者がそうなら、そうした言動をとる方が世渡りの得だとおもねっている人間のことと理解しています。

先の大戦は、アジア解放の正義の戦争だった。新憲法は押し付けられたもので改憲は当然、東京裁判は間違っている、教育勅語こそ道義大国になる根本精神などと言い募って、アベに群がる連中のこと。おべっか政治家、御用学者、評論家などのほか、サンケイ、読売はじめ右翼雑誌などマスコミにも目立つ。

おべっか

トランプ政権はスータトして1ヵ月になります。
ガタガタの船出です。
いまだに閣僚(長官クラス)が、ひとケタしか決まらない。
要するに政権の体をなしていない。

労働長官に白羽の矢を立てたら辞退されたり、せっかく決めた安全保障担当補佐官が不正な取引をロシアしたカドで更迭されたり、、上級顧問が公職の立場でトランプの娘ブランドの商品宣伝をTVでやり、倫理局か懲戒処分を求められたり。イスラム・中東7カ国からの難民・移民の入国禁止の大統領令が地裁、控訴裁で連敗したり。
 
指導力や統率力にかけるうえ、方針を朝令暮改したり、無教養と下司な品性をさらけ出していますので、すでに任期4年間をまっとうするとは、だれも信じていない。超大国のトップが、これほど信頼されないのは、世界的な不幸でもあります。こんな人物と地球の命運を共にしたくないものです。

こんなトランプをいち早く「信頼できる指導者」、「素晴らしいビジネスマン」と持ちあげ、わざわざトランプ好みの黄金色のネクタイを締めてすり寄り、ゴルフ三昧にふける醜態を世界中にさらしたアベに、冷ややかな記事が相次いでいます。

41199d8c-s_20170217130129b2d.jpg

ニューヨーク・タイムズの風刺漫画。ドライバーのアベと後部座席でハンドマイクを持つトランプ。あきらかにトランプの命令のままに必死にハンドルを握る悲壮なアベ。日米の力関係を雄弁に物語っていますが、この関係を保つために、アベは進んで50万円のゴルフクラブを手土産に大統領就任まえからにじり寄っただけに、切ない。嘲いものです。

WS000002.jpg

米トップ週刊誌タイムの記事。「トランプへ、日本から、愛をこめて」とあります。007の映画タイトル「ロシアより愛をこめて」をもじったのかもしれません。そして、記事の見出しです

WS000003.jpg

「日本の首相がトランプ大統領のハートをつかむ方法を見せました。おべっかで。」
FLATTERYとは、おべっか、見え透いたお世辞、阿諛追従という意味ですから、強烈な批判です。(*1)

おべっかするアベ、という印象は、アメリカの有力メディアに共通したもののようで、別のニュース専門局MSNBCのアナリストも「トランプにこれほどおべっかする外国の首脳はみたことがない」と論評されています。この言葉は、さきごろ国会委員会で民進党議員が質問の前説にふっていましたが、アベは苦笑いしてました。苦笑いどころではない。恥入るべきです。

アベがおっとり刀で首脳会談に出かけたとき、アメリカ国内も世界も一番の関心事は、あの移民入国禁止の大統領令の成り行きでした。記者会見の質問も、日米会談どころか、そこに集中しましたが、アベはついでに問われて「アメリカの国内問題なのでコメントする立場でない」と答えて、記者団を呆れさせました。

アべは演説などで決まってアメリカや韓国に対して、自由と民主主義、共通の価値観を持つ国同士といい、中国を排斥しますが、難民や移民の受け入れこそ民主主義による人権や人道上の共通の価値観なのに、ノーコメントです。これも明らかにトランプに配慮したおべっかです。

先進国の首脳たちはこぞって大統領令を批判しています。ドイツの首相は「地域や信仰を疑うことは正当化できない」、フランス大統領は「難民保護の原則を守らなければ民主主義は守れない」、カナダ首相は「多様性は我が国の強みだ」、あの「特別な関係」にあるイギリスの首相さえ「対立を生み間違っている」と述べています。

(写真はGoogle画像検索から引用)

*1 http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/585.html
   やはり出た。安倍外交の侮蔑的評価。米国タイム誌見出し「日本の首相はトランプ大統領のハートへの道を示した…へつらっ   ている
*2 http://article9.jp/wordpress/?p=8137 澤藤統一郎の憲法日記

ダブルスピーク 

まさしく厳寒の候。コタツに入ってDVDをみたり、新聞や本を拾い読みして、ぼんやり。
昔なら喜寿を超えた年寄りは何をして一日をやりすごしたかな。

そもそも喜寿と称して,ことさらに寿ぐほどだから、長命は珍しかったのだ。喜寿くらいなら履いて捨てるほどいるご時世ともなると、長生きすれば、いいというものでもない。長生きしたため、つまらん世の巡りあわせを見るはめにもなります。

アベ政権は、このところ、打ち出す政策にダブルスピーク(二重語法)が目立ちます。
封建領主の「民を由(依)らしむべし、知らしむべからず」姿勢を学んだようです。歴史を翻ってみても、憂うべき状況であります。

ダブルスピークとは、コトの本質の重大さをワザと矮小化して見せたり、隠したり、ごまかしたり、あいまいにしたり、解釈の余地を多様化したりする語法のことです。秘密保護法という名称が、ダイレクトだったのが、批判の対象になったのに懲りたのか。その後は

16298697_885279718281056_50818041045446297_n.jpg

集団的自衛権の解釈変更で成立させた「戦争可能法制」を「安全保障法制」、
カジノ解禁がポイントの法案を「統合型(IR)リゾート法」、
「共謀罪」を「テロ等組織犯罪準備罪」などが、それです。
核心をつく部分をはぐらかしています。さながら悪名高い大本営発表の再来です。

国民の目をそらすダブルスピークの事例を、、、たとえば戦時中、大本営は「全滅」を「玉砕」、「撤退」を「転進」、「自爆作戦」を「バンザイ突撃」あるいは「特別攻撃」、「避難」を「疎開」といった、アレですね。あげくに無条件降伏の「敗戦」なのに、彼我対等であるかのような「終戦」と言い換えてます。

長い侵略戦争の発端になった日中との戦争も、最初は「支那事変」とごまかしていました。「開戦宣言」がなかったから「戦争」ではないと言い張ったのです。いずれも事態の真実を国民に知らせず、ごまかして、結局、国家の道を誤まりました。

こんなことを思い出すには、昨年、南ス―ダンに派遣された自衛隊の活動記録は、破棄したといっていたのに、記録が出てきたからです。防衛省はマスコミには隠蔽していたが、与党である自民議員から追及されて、しぶしぶ陸上自衛隊部隊が昨年7月11、12日に作成した日報を公開した

その日誌には現地で「人が殺傷されたり、モノがこわされた入りした戦闘があった」といくつも記されている。政府は「複数の発砲事案」と採り立てて問題視するような事態でないと答弁していた。

「戦闘」であればPKO派遣5原則の一つ(紛争当事者間の停戦合意が参加の条件)が守られていないことになり、派遣の正当性が崩れます。

 border=

イナダ防衛相は8日の衆院予算委員会で「戦闘行為」の有無について、「殺傷行為はあったが、憲法9条上の問題になる言葉は使うべきではないことから、武力衝突という言葉を使っている」と説明。「戦闘行為」を「武力衝突」と言い換えていることを認めています。

ダブルスピークを認めたことも重大だが、もっと重大なことは、その理由が「戦闘行為」であれば憲法9条上の問題になるから」と言う点です。これはひどい言い逃れです。事態が憲法違反であることを認めたうえで、そうでないと受け取れる表現に言い換えています、という論法です。

こんな国民をバカにした答弁がまかり通るのであれば、戦時下の大本営発表と変わりがない。「靖国神社というのは不戦の誓いをするところではなくて、『祖国に何かあれば後に続きます』と誓うところでないといけないんです」と述べる(*2)気色が悪い極右オバサンが、本末転倒の詭弁を弄するのは、アベ政権の意向と合致しているからです。

アベやイナダは国際貢献という大義のためなら自衛官が窮地に陥っても、死傷してもやむなし、むしろ犠牲者が出た方が、国際社会でPKO派遣の実績作りになるとでも考えているのだろうか。万一、そういう事態は起きたら、きっとダブルスピークで「戦死」を言い換えることでしょう。

南スーダンのような遠隔地で、しかも派遣国の国益の直接影響がないようなところの紛争で、なんで自国民がわざわざ血を流しに行かねばならないのか。欧米諸国は、この引き合わない犠牲から手を引きたがっています。

南スーダンへ軍を派遣しているのは、欧米ではイギリスの工兵部隊だけ。日本を除けば、ネパールやスリランカ、インドやエチオピア、中国、マレーシアなどすべて開発途上国です。

戦争ができる普通の国を目指すアベ政権ですから、自ら買って出て自衛隊を派遣していますが、国際社会からみれば、アベ政権のこの前のめりは好都合で、体よく利用されているように思えます。

アベは、何のために各国にカネをばらまいているのか。「憲法上の規定があるので、武力で支援できませんが、せめて経済支援だけでも」というスタンスが、なぜ取れないのか。

国際社会は日本の不戦憲法を理解しています。黄門さまの印籠のような特別の存在を邪魔扱いしているのは、当のアメリカと追随するアベ政権です。

国民に対しての施策さえダブルスピークで実態をごまかし、安全が脅かされる危険な紛争地域に送り込んで、その代償に得る国際社会の評価が、それほど大切かどうか。

真珠湾でスピーチした「不戦の誓い」を、、、嘘に決まっていますが、、、実践するなら、憲法9条でもって世界に貢献すべき道こそが正しいと思えるのだが、このままではトランプに新たな肩代わりを背負わされるにちがいない。

(写真はGoogle画像検索から引用)

*1 2017年2月7日 朝日新聞電子版 
   http://www.asahi.com/articles/ASK2834BRK28UTFK006.html?iref=comtop_8_07
   「9条上問題になるから『武力衝突』使う」 稲田防衛相

*2 Wikipedia 稲田朋美の項にある。「小泉総理は国家の代表として靖国に行くべし」『WiLL』2006年9月号の座談会で。

いい話二題

”でんでん”首相にくわえて、眉を顰める悪手を繰り出すトランプの話題。
こんな手合いに飽き飽きしていましたら、いい話を聴くことができました。
一つは、天網恢々という朗報、もう一つは実直な70代障碍者の前向きな話です。

元大阪府知事だったハシモト某。彼が雑誌記事について起こしていた名誉棄損の訴えが最高裁で敗訴しました。ハシモト某は演技性人格障害などの精神疾患の特徴を備えた人物であると最高裁がお墨つきを与えました。こんな人物に熱狂した人たちこそ、恥じ入るべきです。(*1)

1_20170204143429608.jpg


確定判決によれば、 2011年10月発売の月刊誌「新潮45」は「大阪府知事は『病気』である」と題し、ハシモト某に精神疾患の数々の特徴が当てはまるとする記事を載せた。ハシモト某は、この記事で名誉を傷つけられたとして、出版元の新潮社と、執筆した精神科医、野田正彰氏に損害賠償を求めた。 一審大阪地裁判決は、名誉棄損を認めたが、控訴審の大阪高裁で逆転無罪、最高裁もこれを支持した。

争点になった野田氏の記述のなかには、

橋下が精神疾患であり、橋下の高校時代を知る教諭の「嘘を平気で言う。バレても恥じない。信用できない。約束をはたせない。自分の利害にかかわることには理屈を考え出す。人望はまったくなく、委員などに選ばれることはなかった」


とのエピソードがありました。

最高裁はこの点について「真実と信じる相当な理由がある」と判断したわけです。取材に応じた高校時代の教師は、卒業ウン十年たっても、ハシモト某の特異な性格を記憶していました。よほど常ならぬ挙措振る舞いがあったと見えます。

こんな人物の口車を時代の寵児と持ちあげ、都構想のような誇大妄想を煽り立てたマスコミや、過大な期待をかけた多くの有権者も、よくよく反省しなければならない。詐欺同然の勧誘商法みたいな出まかせを言う人物を見抜けなかったのですから。

海の向こうのトランプなら、その非常識ぶりを批判するのに、近場のバカを見る目がないというのは困ったものです。特にマスコミの責任は大きい。

不逞の輩の話とちがって、ちょっといい話を聴きました。聞くまでは見ず知らずの人ですが、人の話は聴いてみるものです。

通っているジムでTシャツの上に「視覚障害者」と前後に書いたゼッケンふうのかぶりものを着たおじさんがいます。時々みかけるのだが、目が悪いというには動きは敏捷で、のびのびと器具を操って、笑顔も絶えません。

つい好奇心が動きます。一年まえに左目の光を失くして、不自由に泣いている身には疑問でもあります。

「失礼ながら、とても元気そうに動いておられますが、目にどん不具合があるのですか」
おじさん、すこしも嫌がらず、気軽に身上をしゃべってくれて、驚きました。

72才、十年前に突然、加齢黄斑変性という目の難病になり、失明。いまも通院して経過観察中だそうです。身体障害者資格2級に認定された。目先の人やモノはボンヤリと暗闇のなかで影のように見えるとか、道を歩くときは、白杖がかかせません。ランニングが好きやったんやけどなあ、と天井を仰ぐ。

視力がなくなってから、不思議なことに耳がよくなり、モノ覚えもさえてきたといいます。具体的には、人を声色で聴き分けられるようになった。ジムの建物の2階のフロントにくるまでの階段は最初が8段、曲がって9段、ついで17段上がり、踊り場からはさらに17段だと覚えているそうです。(あとで調べると、確かに、その通りでした)。

2級の障害者年金は80万円だが、長年働いてきた厚生年金の方が多い。併給はダメなので障害者年金はもらわず、厚生年金と企業年金を合わせて、まあ、こんなところで体を鍛えていますとのこと。

「黄斑変性については、iPS細胞の移植による治療技術の研究が進められているニュースがありますね」
「そうです。通院先の先生の話では、アメリカの方がちょっと進んでいて、視力の回復には至らないけれど、かすかな点のような光を感じるようになった手術例もあるらしい」
「アメリカですか」
「そうや、アメリカへ行くのは、手術代、往復代含めても3千万円くらいいるそうな」

「わたしの動脈閉そく症の方は、治療法がまだ、ぜんぜんないんですよ」
「そうでっか。でもね。生きてる間に、いい治療法ができる、と思わんとやってられませんな」

なんとも、さばさばした、前向きのスポーツ大好きおじさんでした。健気な覚悟に教えられました。

(写真はGoogle画像検索から引用)

*1 2017年2月2日 毎日新聞電子版
     橋下徹氏の敗訴確定 最高裁決定
     http://mainichi.jp/articles/20170203/k00/00m/040/040000c

初笑い、憫笑, でんでん

おもしろき
こともなき世を
おもしろく  
     高杉晋作

年初から、面白いことは、あまりない。はやくも一月が過ぎようとして、突如、大笑いするシーンにお目にかかった。大笑いのあとで、情けないなあ、慨嘆させられるところが、また面白い。お粗末な新喜劇、アベは役者ですねー。

24日の国会答弁。「ただ批判に明け暮れたり、言論の府である国会の中でプラカードを掲げても何も生まれません」。アベが民進党を暗に皮肉った発言に対して、蓮舫代表が、そのような戦術は過去には自民党もやっていた。「どう整合性をつけるのか」と追及した場面でお笑いが飛び出した。

アベは、壇上の原稿を見ながら、民進党と言った覚えなんかなく、「訂正でんでん」といったものではないと、どや顔で一蹴してみせた。「でんでん」なる言葉は、どういうことか。

実は原稿には「訂正云々」とあったのだ。アベは、これを正しく読めなかったばかりか、なんのためらいもなく、「でんでん」と発音して、そのような日本語があると信じている様子だった。

官邸は、首相の読み間違えだとみとめているようだが、言葉の語尾に「でんでん」をつけるような日本語はない。仮に誤読だとしても、いったい全体、どういう意味になるのか。アベは、まるっきり意味をなさない言葉で国会答弁をしているわけで、このアホらしい話のいちばんのキモは、そこにあるのです。意味をなさない言葉で野党の質問に答えている、そのアホらしさです。

2311.jpg


ネット上で持ち切りの話題だったので、YOUTUBE(*1)で確認して、久しぶりに大笑いしました。アベは以前から、オツムが弱いことをさらけだしていましたが、それにしても、いいトシこいた自称政治家が、しかるべき場所でなんども使ったかと思える「、、、、云々」が読めないとは、あ然、呆然。

アベの非常識は数々あります。
16年間も在籍した出身校の成蹊と同じ「成」の字が正しく書けない。テンなし、ハライなし。(写真参照)。

C28ur2AVIAAQEGr.jpg

政界に20数年いるのに、先の大戦の連合軍による日本への降伏最終宣言{ポツダム宣言)を読んだことがない、と答弁
法学部出身なのに、憲法学の第一人者、文化功労者の芦部信喜の名前を知らず、と答弁
総理大臣は「立法府の長」と二度、三度と繰り返し発言している。(写真参照)


7ec80e1cbeba2f8973e34d566b8443e6.jpg


ネット上では、
「でんでん虫、ムシ 安倍総理」の替え歌が披露されたり、歳末恒例の清水寺での「今年の漢字」は「云々」に決まり、国語辞典に新しい読み方として載せられる、教科書も改訂されて、入学試験にも出題されることになったとか。みなさんこの国の首相の無知蒙昧を歎きならも、茶化しています。

今回のアベ誤読で明らかになったことは、首相の能力、国会演説や討論の形骸化、官僚の役割など、いろいろな面で面白がってばかりしておれないことが、あらためて日の目をみました。列挙すれば、、、、

一、アベはフリガナ付き、間合い付きの演説原稿をいつも読んでいるが(写真参照)、今回はフリガナついていなかった。


C28zZYOUsAAfdz1.jpg

二、原稿を書いた御用役人は、アベの能力を把握していなかった。買いかぶっていたか、手を抜いたか。

三、アベは国会答弁の原稿さえ事前にを読んでいないか、読んでも、読み方に疑念を覚えなかった。

四、野党を揶揄するような内容でさえ、役人が原稿を書き、首相は棒読みするだけ。

五、「立法府の長」を長い時間をおいても懲りずに発言することは、三権分立を知らず、側近も役人も諌言しないことを意味している。つまり「裸の王様」になりきってしまっている。

六、ということは、秘密保護法にしろ、安保法制にしろ、共謀罪にしろ、アベは、すべてコトの本質を理解せず棒読みしている。

血筋だけで成り上がったということのほかになんの取り柄も感じさせない、このような人物が、「努力すれば報われる社会をつくる」とか、「明日の日本を築き上げる」とか、「世界の安全安心に貢献する」とかと、したり顔で大言壮語する風景が、いつまで続くのか。笑っていられないニッポンの悲喜劇ですね。

でん、ででーん、でんでんの一席でした。

(写真はGoogle画像検索から引用)

 
*1 YOUTUBEで「安倍首相、でんでん」と検索すれば、動画がみられる。たとえば、
   https://www.youtube.com/watch?v=a3qq7_MTK_g youtube
   https://www.youtube.com/watch?v=-XY-IoMy-Mo youtube

トランプ♠♡♣♢

トランプが大統領に就任しました。
それについて、何か感想を書こうかと思ったけれど、気がのらないですね。

t_201701231105589e3.jpg

21世紀だというのに「(自国の)保護こそが偉大な繁栄と強さにつながる」(就任演説のキモ部分)。トランプは堂々と世界の潮流に逆行宣言しました。

超大国といえども、あらゆる分野で世界は、抜き差しならぬ相互依存関係にあることを無視するなら、結局は天にツバすることになりやしないか。

内外の多くの人が、いろいろな角度からトランプの考えや人柄をあげて、期待感や失望感を述べています。しかながら、あんまり妙な印象を与える人物が陽の目をみたせいか、大方の人はためらいがちな論評です。ちょっとひいき目に発言する専門家にしろ、お手並み拝見といった感じ、腰が引けています。

目についたところでは、あのハシモトや美容整形のタカス某という目立ちたがりくらいですね。歓迎しているのはーー。ハシモトは、性格的にスネ夫(*1)なので、強い方なら、誰にでもなびく。いまアベと近いのも、そのならい。損か得か。それが言動の規範だから、仕方がないが、あのハシモトならそんなものだと読まれるようになってしまったから、説得力がない。ああ、あいつらしい、ってとこ。

22日のニュースによると、トランプは大統領執務室の大きな壁面を覆うカーテンを、就任直後にゴールドの布に取り換えたと伝えています。(*2)オバマのときは、深紫色だったそうです。成金の大金持ならではの、趣味の悪いエピソードです。これだけでも、付き合いきれない神経の持ち主だと察せられます。


ゴールドといえば、なんともおかしいのは、トランプの”不都合な真実”。セックス・スキャンダルに出てくるキーワードが”ゴールデン・シャワー”(*3)なんです。

このロシアに握られているという情報は、いつ「ファクト・チェック」(事実かどうかの確認)されるのだろうか。ポーカーの勝負場面のような局面で、ロシアはこの切り札を暴露すれば、トランプの命取りになるのは必至でしょうね。トランプがロシア融和的なのは、ここでゆすられている、、、とまで勘繰るにはよしましょう。

世界中から反対デモに包まれています。就任早々から、いつまで持つか、懸念される大統領というのは、珍しい。トランプもトランプだが、損得勘定一点張り、見え見えの扇動に乗っかって熱狂したアメリカ国民も、なんだかな。民主主義を標榜するはずの国にしては、不穏な判断を選んだものです。

もっとも、スケールはちがっても、あのコイズミやハシモトに熱狂した人々が山ほどいました。あの郵政民営化なんて、いったい国民にとってどんな成果が上がったのか。あれから郵便配達の時間がデタラメになって困っています。ハシモトにいたっては、口舌の徒に大阪の発展が「失われた7年半」になった印象しかない。

あまりモノを考えない人、あるいは暮らしや生業に追われている人たち大勢を熱狂に引きずりこんだ方が勝ちという民主主義は、成熟した政治システムとはいえない。
この負の側面をカバーする妙策がない。
あるとすれば、万事に熱狂しないこと、くらいかな。

(イラストはGoogle画像検索から引用)

*1 藤子・F・不二雄の漫画作品『ドラえもん』に登場する人物、骨川 スネ夫(ほねかわ スネお) ナルシストかつイヤミ、口が上手   く虚言癖の持ち主。強者には徹底してへりくだる。

*2 2017年1月22日 朝日電子版
   http://www.asahi.com/articles/ASK1Q4QN8K1QUHBI00W.html
   大統領執務室、金色カーテンに オバマ氏離れた数時間後

*3 2017年1月12日 TVgoove
http://www.tvgroove.com/news/article/ctg/1/nid/32536.html
   ドナルド・トランプ米次期大統領にとんでもない性癖が発覚!?
   ツイッターでトレンド入りした“ゴールデンシャワー”とは?

 

メリル・ストリープ讃

meriru.jpg


お気に入りの女優の一人にメリル・ストリープがいます。今回は、素晴らしいスピーチで、存在感を発揮するとともに、あのトランプに一矢報いました。

今年も四回目にあたるゴールデングローブ賞のうちの特別功労賞を獲得しました。アカデミー賞でも主演・助演を含めて3回受賞しています。名実ともにアメリカ映画界が誇る大物女優です。(*1)

その彼女がGクラブ授賞式でのあいさつで、トランプ次期大統領の名指しを避けながらも、トランプの「弱者いじめ」を痛烈に批判しました。(*2)障害のあるNYタイムズ記者の障害をジェスチャーで真似をして記者を蔑んだトランプの行為を取り上げて、スピーチしました。

権力者が公の場で他者をばかにしようとする衝動に身をゆだねてしまえば、あらゆる人たちの生活に波及します。人々に同じことをしてもいいと、許可を与えることになるからです。

侮蔑は侮蔑を招きます。暴力は暴力をあおります。権力者が立場を利用して他人をいじめれば、私たちはみな負けるのです。いいわ、やりたければどうぞ続けてみなさい。



ハリウッドは伝統的にリベラルで、民主党びいきが多いですから、多くの著名スターが大統領選のさなかにもかかわらずトランプ批判の声を上げています。彼女の発言も根はトランプ嫌いにあるのでしょうが、指摘していることは、まったく良識ある内容です。政治的立場を超えて、普遍的な人権尊重です。

これに対してトランプはすぐにツイッターの波状攻撃で、次のように反応しました。(*3)

大敗したヒラリーの追従者だ。もう100回くらいは言っているが、私は決して障害のある記者を「ばかにした」ことはない(決してそうするつもりはなかった)。

メリル・ストリープは、ハリウッドで最も過大評価された女優の一人で、私のことをよく知らない。それなのに、昨夜のゴールデン・グローブ授賞式で、私を非難した。



誰が読んでも勝負あったと思います。追従者を「腰ぎんちゃく」、過大評価を「買いかぶり」と訳すニュースもありました。それが真意でしょう。トランプの口汚い悪態にうんざりさせられます。

しかも、アメリカ人なら誰もが知っていることは、トランプはなんと一昨年8月には雑誌のインタビューに、メリル・ストリープのフアンだと言っていたのですから、その卑怯な変わり身の呆れます。(*4)

トランプ氏、メリル・ストリープのファンだった 「素晴らしい女優。人としても立派だ」。2015年8月、ハリウッド・リポーター誌のインタビューで「お気に入りの女優はいますか」と質問された時、トランプ氏はジュリア・ロバーツと共にストリープの名を挙げた。



ハリウッドの大物俳優、ジョージ・クルーニーはメリル・ストリープの発言を賛同、擁護して、こう述べています。(*5)

彼がすべてを破壊しないことを願うばかりです。現実は、彼がまともな仕事をしてくれることを願わなければならない。もしアメリカが失敗したら、とてもおそろしいことが起こります。だからそうならないように信じなければならない。



自由な女優の的確な発言にしろ、トヨタのメキシコ進出工場の件にしろ、気に入らない相手に対して猛烈な攻撃を加え、逆らう相手には代償を吹っ掛け、強権で威圧するトランプのようなやり方でアメリカがほんとに活力を取り戻すのか。

アメリカに独裁者はなじまない。こんな人物を大統領の選んだアメリカの近未来は、政治、経済、社会のすみずみまで大変なことになりそうな予感がします。向こう4年の任期を全うできるのかさえ案じられます。黒人大統領が登場したときと比べても、物理的な危険にさらされるのではないかと危惧します。

また、トランプを支持した白人中・小産階級の人々は、まもなくトランプが「お金持ちのお金持ちによるお金持ちのための政治」しか行わないことに気づくと、裏切られた失望感から反乱を起こすかもしれない。

トランプによって分断され、対立するようになったアメリカ国民は、ニクソン大統領のときのような弾劾を求める事態を招くかもしれない。

ニクソンは再選に当たり不正を指揮した容疑だったが、トランプの場合、ロシアはじめ複数の国でビジネスにからみアメリカの国益に反する商行為をやった疑いやロシアでの異常なセックス・スキャンダルが噂されています。

国民感情の分断化については、すでにカリフォルニア州独立運動なるキャンペーンが起きていると伝えられます。シリコンバレーの起業家が提唱して「合法的な運動をしよう」と。財政規模ではイタリアより大きく、人口ではカナダよりも多い州ですから、冗談にしろ面白い。(*6)

それにしても、今回の大統領選の結果は、全米投票総数ではヒラリー・クリントンが2百万票超も上回っているのに、選挙人獲得数ではトランプが勝っています。

日本はじめ他国の選挙制度にならえば、ヒラリーが勝っています。投票数という民意が、選挙人制度という壁で屈折してしまうという、けったいな選挙制度について,当のアメリカ人たちは、どう考えているのか。

なんでも選挙人制度というのは、広大な国土で情報伝達の手段に乏しく、候補者の選挙公約や施策が行き渡らなかった西部開拓時代の名残りだそうだが、いまや民意が直接反映されない、世にも不思議な選挙制度を後生大事にしているのは、どういうわけなんだろうか。

(写真はGoogle画像検索から引用)

*1 「クレイマー・クレイマー」(助演賞)、「ソフィーの選択」、「マーガレット・サッチャー鉄の女の涙」(主演賞)。ノミネートは十数回もある。
*2 2017年01月10日 毎日新聞電子版 M・ストリープ、Gグローブ賞でのスピーチ全文
               http://mainichi.jp/articles/20170110/k00/00e/040/236000c
*3 2017年01月10日 ハフィントン・ポスト http://www.huffingtonpost.jp/2017/01/09/trump_n_14068202.html
*4 2017年01月10日 ハフィントン・ポスト http://www.huffingtonpost.jp/2017/01/10/trump_n_14097588.html
*5 2017年1月11日 BAZAAR ジョージ・クルーニー、トランプ氏批判をしたメリル・ストリープに賛同
               http://harpersbazaar.jp/celebrity/george-clooney-backs-meryl-streeps-golden-globes-speech-170111
*6 2017年01月12日 ブログ「単調な毎日に刺激を」 カリフォルニア州がアメリカ合衆国から独立?実現の可能性は?
               http://www.sabarism.net/entry/california-secede-from-us

初日の出

P1040459.jpg

元旦、自宅近くの古墳跡の公園から初日の出を観ました。久方ぶりの火の球でした。曇り空や雨天という元旦もあって、ほんとうに黄金色に輝く日の出を観られるのは四年に一回、五輪並みという感じです。

こんな風習は、調べてみると、古くからは太陽を含む自然崇拝信仰があって、平安期ごろからは四方拝という宮中行事でひそかに継承されてきたが、一般に広がったのは明治政府が宮中行事を含む神道を国家宗教に格上げしていらいらしい。

もっとも、閑人は初日の出に宗教的な思い入れを込めているわけでない。いわゆる初詣にもほとんど行ったことがない無信心者。ただ、新しい年の幕開けの空気を好きな山上から体感したいと思って例年やってきた。いまは残念ながら山を登る脚力がない、

こんな初日の出を称揚する風習は、日本独特らしく、海外ではあまり例がないらしい。そうだろう、神道の名残りが海外にあるはずもないか。大晦日にカウントダウンしてはしゃぐ外国人も初日の出には、ぜんぜん無関心なのが面白い。

森羅万象の価値観についてお国柄があり、、民族性の違いがあるのは、当然ながら、正月に見たDVD映画『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』(*1)には目からウロコでした。

タイトルは刺激的ですが、意味するところは、アメリカにない文化や制度をヨーロッパから学び取り、それらを“戦利品”にしてアメリカに持ち帰ろうという寓意をこめている。ムーアが持ち帰りたい、歴訪国からのこんな戦利品の数々、、、、。

イタリアでは労働者には年8週間の有給休暇があり、産休や病気休暇も有給。昼休みは2時間あり、自宅に戻って家族とランチをするのが普通。12月には2か月分の給与がもらえる。

ドイツでは週30時間労働。早い職場では午後2時には勤務時間が終わり、長い午後はスポーツや趣味に。それでも職場でストレスを感じると、1か月間、温泉のある療養施設で癒す制度がある。

フランスの田舎の小学校で。給食はナイフ・フォークをつかって給仕されながら、コース料理を食べる。チーズなどはカマンベールほか多数用意されていて、児童は好みのチーズを食べられる。食器もプラ容器ではない。ちなみに児童らにアメリカの高校生の給食写真を見せたら、「まずそう」と一蹴していた。この国では教育、医療は無料。

世界一学力が高いフィンランドの小学校。国の教育方針で宿題は一切なし。授業時間は週20時間で、試験には拓一問題はない。問題は記述式に限る。教委関係者は拓一式は覚える力に役立つが、考える力にならないと語る。

東欧スロバニアでは大学教育も無料。国民ばかりでなく、外国人留学生も無料。アメリカからの留学生が喜んでいる場面が写っている。

ポルトガルでは麻薬は犯罪でなく、所持しても使用しても薬物依存症として、治療の対象。当局者は酒やたばこの依存症者を逮捕しますか、と問う。スウェ―デンの刑務所では殺人犯でも模範囚なら一軒家を与えられ、バス・シャワー付き、包丁がいっぱいある台所、テレビもある空間を与えられている。

ムーアは映画の冒頭、アメリカ国防総省で四軍の将官から、第二次世界大戦後、アメリカは敗け続けている、どうすればいいかとの質問にたいして、軍事力増強なんかよりも優れた文化や歴史を学んだ方がいいと答えて、このドキュメンタリーを始めている。

アメリカどころか日本もまた持ち帰りたいような働き方や教育の仕組みを取り入れている国がある。何が生きてゆく上で大切か、という命題にかんして、これらの国々が取り入れている制度に感嘆します。ムーアのドキュメンタリー映画はいつも大いに示唆的で興味深いです。

*1 原題は「Where to invade next」

真珠湾パフォーマンス

oahu.jpg

ことしのブログは、前回の「水槽の手入れ」でおしまいにするつもりでした。しかし、アベとオバマ大統領が演じた真珠湾慰霊と称するパフォーマンスが、あんまりだったので、感想を述べます。

ふだんからアベは歴史や文化やその他、社会人ならある程度は持っている教養といった品位にかかわるところがぜんぜん感じられない。アベの身近な者が研究者との対談でも語っていたことだが、アベは、担ぎ上げられてなった総理大臣という役割を「演じているような」人物。つまり、芝居の総理大臣役らしく振舞い、それらしくセリフを口にしている人物です。

ですから、素の発言では、およそ知性を感じられない。人の心を打つところがない。国会答弁などは支離滅裂で何を言っているかわからないのに、演説となると、気の利いた言い回しや、難しい言葉をつかっています。自分の言葉でありませんから、いくらいい言葉でも、一貫性がありません。

これは、しかるべきスピーチライターが背後にいて、アベはただ音読しているからにちがいない。役者の陰に演出家がいます。スピーチライターがいるのは、もちろん構わないが、ふだんとの落差が大きすぎるので、滑稽な違和感を覚えます。

今回の所感。真珠湾に寄せてはかえす波の音に耳をすませ、ふりそそぐ陽の光、、、、アベの柄にもない、アホらしい感傷で始まり、作家、アンブローズ・ピアスやエイブラハム・リーカーン大統領の言葉をちりばめた所感には、75年前、Sneak Attack (卑怯な奇襲)と蔑まれた先制攻撃から戦端を開いた大戦への反省も謝罪も盛り込まれていません。

(“悪魔の辞典”で知られるビアスをアベが知っていて引用したとは、誰も思わないでしょう。残念なことに、そういう点がアベの言説が自分の言葉ではなく、リアルと感じられないのです)

アベの口から「不戦の誓い」という言葉が飛び出していますが、戦争法制化や自衛隊の海外出兵、最近の核禁条約の反対など次々と打ち出す軍事化との整合性はどうなっているのか。その場を取り繕うカメレオンのようなリップサービスで、これまたまったく信用できないスピーチです。

所感のテーマに「和解の力」(The Power of Reconciliation)とあるのもは、おかしい。和解というのは、迷惑をかけた者が、かけられた者へ言う言葉ではない。加害者が非を認め、誠実に被害者の立場にたって問題の解決、解消のために譲歩したり、合意することを指します。法律用語でも「互譲」を条件にしています。

寛容の精神を説いていましたが、寛容もまた迷惑をかけた側が大きな顔をして言うべき言葉ではありません。かけられた側からの心の広さの問題です。

一体アメリカはなにを譲歩したのか、あるいはするのか。日本側が言う「和解の力」には主客転倒の観がぬぐえず、これは後日、アメリカからきっと異論が出そうな気がしています。

閑人は1996年、ハワイを訪問、真珠湾にあるアリゾナ記念館を見学したことがあります。途中の船の中や記念館はアメリカ人の見学者ばかりで賑わっていて、当時でも日本人はなんとなく不審な目で見られているんではないかとひるんだ覚えがあります。

arizona.jpg

そのときに購入したのは、パールハーバーを襲った日本軍に驚く当日の地元紙の号外(復刻版)です。3号までの全ページ号外が綴られています。題字横にに「ルーズベルト大統領は今朝、日本軍がマニラとパールハーバーを攻撃したと発表」とあり、特大の文字で「WAR!」とあります。それとアリゾノ・メモリアルの冊子です。

オバマ大統領のヒロシマ訪問の返礼、トランプ次期大統領への牽制といった見え見えの政治的パフォーマンスではなく、真珠湾攻撃の以前から続いた韓国、中国、そして軍靴で荒らしまわった東南アジアの諸国へ戦後を清算する政治家はいないものか。

アベはアメリカの真珠湾生き残り兵のまえで膝を屈して握手して見せたが、本来なら、その行いと同様のことをアジアでやらなければならない。

(この場面もオバマ大統領がヒロシマで被爆者をハグした振る舞いとそっくりさん。どこまでも対米追従です。対米追従といえば、アベが本気で真珠湾慰霊を考えていたのなら、オバマ大統領のヒロシマ訪問に先立って行うのが、加害国側の筋でしょう。)

極東の島国を再び軍事大国に変貌させて、「世界の平和に貢献する」としゃしゃり出る必要性が、どこにあるのか。国民は、そんなアベの時代錯誤の大国願望なんか望んでいない。国民の幸せ第一、国民の暮らしを豊かに向上させることに専念する政治家が切に望まれます。
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
プロフィール

tajifu

Author:tajifu

ブログ内検索
RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる